「テレ朝"衝動で"辞めた」40歳元アナ、驚きの転職 大木優紀さん「第2の道」で見えてきた世界は?

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転職後は、アナウンサー時代の経験も役立っている。当時、一番の学びは「場の空気を読むスキル」だった。

「場を読むスキル」は過去の経験で学んだ

アナウンサーは「番組のモデレーター」を求められる。

たとえば、発言していないゲストがあれば話を振る。二項対立の話題で、いずれかの視点に話が偏っているときは、あえて逆の視点を投げかけるなど、「場のバランスをとる」のが本分だ。

そのスキルは「対面のミーティング、テキストコミュニケーションの場面でも活きる」と、大木さん。

古巣のアナウンサー仲間と会い、会話するときに「昔は気づかなかったけど、全員がバランスをとっている」と実感しているそうだ。

入社2年目の現在は、自社発の海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』をいかに広めるかが自身のミッションに。スタートアップ企業の参入が難しいと言われる旅行業界で「老舗の大手企業に匹敵するような会社に成長させていきたい」と意気込む。

キャリアチェンジに迷う人びともいるが、「飛び込んでみないとわからないこともたくさんある」と、大木さんは主張する。新天地に転職して以降は「新しく学ぶことばかり」であったが、過去の経験は思わぬ場面で「応用できる」と言う。

個々のキャリアが多様化し、転職も当たり前になった時代。大木さんの選択肢は、現代を生きるビジネスパーソンがキャリアを考えるヒントになりうる。

*この記事の後編:「テレ朝辞めた"元アナ"転職」の切実すぎるリアル

転職先では「新しく学ぶことばかり。毎日を楽しく過ごしています」と笑顔に(写真:松原大輔)
カネコ シュウヘイ 編集者・ライター

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Shuhei Kaneko

1983年11月8日生まれ。埼玉県出身。編集者・ライター。成城大学文芸学部卒。20代後半に自動車系雑誌の編集プロダクションから独立。以降、フリーランスとして活動を続ける。ライブへ月4〜5回通うほど根っからのアイドル好きが講じて、2014年頃からはエンターテインメント分野を中心に、取材・執筆へ尽力する。雑誌、Web、書籍と媒体は問わず。ブックライターも担う。

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