ところで、大手企業からスタートアップ企業への転職となると、待遇の変化も気になる。
たとえば、給与だ。世間的には高給のイメージもあるテレビ業界からの転職に、不安がよぎるのは想像にかたくない。
「給与の変化」よりも「楽しさ」を最優先に
しかし、「マイナスにならなければ怖くない」と吐露する大木さんは、お金よりも自身のモチベーションを最優先した。むしろ不安はなく「ストックオプション制度もあるので、夢を感じた」と言う。
テレビ朝日時代にあった「社員食堂」や「診療所」など、大々的な設備はない。その代わりというべきか、新たに「制度を作れる」という楽しさもあった。たとえば、令和トラベルの人事制度「Focus」はそのひとつだ。
アナウンサー時代に「帯番組を担当していたことで、ゴールデンウィークや学校の夏休み、冬休みなどの連休時に子どもたちと過ごせなかった」という経験から、「夏休みを子どもたちと一緒に過ごしたい」と提案。
社内で「1年度内で最大2カ月、週あたりの労働時間を最大4分の1に短縮し、働くことのできる制度」を設けるヒントとなり、制度利用者の第1号として、2022年夏には子どもと一緒にニューヨークでのワーケーションを実現した。
周囲で働く人びとの年齢層も変化。現在は10代のインターン生を含む「若い世代に囲まれる環境」で働いている。
今ある課題は「マネジメント」のスキルを高めること。
アナウンサー時代は「ある種『職人の世界』に近いため、後輩との関係性は師弟関係のよう」であったが、SNSの運営など、若いスタッフの知見も借りながら仕事に邁進する日々だ。
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