佐藤ママ断言「人柄のいい子」は試験の点も伸びる 私がWBCで再確認した「人間性教育」の重要性

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中には「小さい頃から、そうした最新機器にも触れさせないと時代に取り残された子どもになる」と考えるお母さんもいるようですが、実際子ども達が大人になって使う時にはもっと進化しているので、今の最新機器に慣れておく必要はないのです。それより、成長期の子どもがゲームにしがみついているほうが深刻な問題です。私は、子どもには12歳まで家では一切ゲームをさせませんでしたが、それからは程よくゲームでは遊んでいました。

私が考えるに、12歳までゲームをさせないでおくと、ゲームを娯楽として子ども自身が考え、上手に使うことができるようです。12歳までに長時間させると、ゲームが生活そのものになってしまい、勉強とのメリハリがつかなくなります。12歳までは、特に人間として未成熟ということですね。できれば、ゲームを月曜日から土曜日まで一切させず、日曜日のみ思いっきりさせる、という方法で乗り切るのはありかも。子どもには、外で元気に遊ばせることがやはり大切なのだと思います。

アナログ教育の重要性

今回WBCを観ていて、あらためて思ったことがあります。ちょっと乱暴な言い方をすると、野球って、ボールを投げて、バットで打って、走るだけの行為ですよね。ゲームとかスマホとか、デジタルの対極にある、昔ながらの超アナログな行為です。

でもそのアナログな営みが、プレイヤーだけでなく、観る者の心も熱くする。デジタルの便利な娯楽よりも、こうしたアナログがもたらす感動や素晴らしさを、特に12歳くらいまでの子どもに与えるほうがいいのではないかと改めて私は思いました。人生や勝負について考えたり、人を信じることを学ぶ、人格形成の絶好の機会ではないでしょうか。

ちなみにわが家の4人の子どもたちも勉強だけでなくスポーツをさせていて、上からサッカー(長男)、野球(次男)、卓球(三男。後にアメフト)、長女(水泳)に汗を流していました。それに、運動をすることで得た上達する喜びやコツって、勉強にも通じると思います。だから、スポーツを取り上げてその時間を受験勉強に充てればテストの点数が上がるかと言えば、私はそうではないと思います。

そしてアウトドアに限らずインドアでも、子育てにおいて、私はアナログを重視することをお勧めします。つまり子どものうちは、デジタルやネットに触れるよりも、紙の本を読むことのほうが広い能力が身に付くのではないでしょうか。

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