落とし穴の1つめは、周りに惑わされまくること。あなたを惑わすのは勉強会名物の「妖怪」たちです。勉強会には、大きく分けて2種類の「妖怪」が幅をきかせているのです。
まずは「ミミドシマ」。そう耳年増。ミミドシマは、どこで仕入れてきたのかよくわからないさまざまな情報を持っていて、勉強会ではわれ先にと知識・情報を披露します。「あの予備校ではああなってて、この予備校ではああで……」「去年出たその問題はこうで、一昨年出たあの問題はああで……」。こうした情報は、一見有益に見えますが、その実、本質的な勉強法に関することではないので、受験生を惑わすノイズに過ぎません。
情報に飢えた、いたいけな子羊受験生たちは、時にはそれを真に受け、時にはそれに振り回されまいと聞き流しながら、いつのまにかミミドシマの言うことに惑わされてしまう、という事態が生じます。受験生に必要なのは、「正しい」情報だけです。ミミドシマと付き合ってしまうと、勉強の指針すら間違える危険がありますので、十分注意しましょう。
「全然勉強してないよ」の大ウソ妖怪
そしてもう1匹の妖怪は「スイケン」。そう酔拳。スイケンは、勉強をやっていないと見せかけて実はやっている人です。決め台詞は「全然勉強してないよ」。中学高校の定期テストの前には必ずいました、このスイケンさん。これを読んでいるあなたも隠れスイケンじゃありませんよね?(笑)
実は社会人の間でも跋扈しているスイケンさん、講学上はセルフハンディキャッピングというらしいですが、要はハードルを低くすることで自分が傷つかないようにしているわけです。個人のレベルにとどまる限りまぁかわいいものですが、問題はこういった発言が周囲に悪影響を与えること。
スイケンが勉強していないふりをしているのを真に受け、「なんだ、みんなそんなに勉強していないのか」という気持ちが沸き、ちょっとした優越感とともに油断が頭をもたげます。そうすると、勉強の手綱を緩めることになりかねず、試験勉強に悪影響が生じるのは明らかですよね。試験までの時間は限られているのですから、途中で油断している暇などないのです。
ミミドシマは「自分の方ができる」、スイケンは「自分は勉強していないのにできる」というように、それぞれ違った形で自己顕示欲を示しているに過ぎないのですが、周りの人は悪影響を受けるのですから、たまったものではありません。
勉強会では、往々にしてこれらの自己顕示妖怪たちと付き合う羽目になります。試験に落ちてから「妖怪のせいなのね!」と開き直っても、まったく空しいだけでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら