「自己肯定感」を追い求めることが泥沼である訳 評価されないと自分はダメと感じてしまう人へ

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このスタイルに素直に従っていると、みんな他人の価値観に流されやすくなってしまうわけですね。1度それを切り替えて、「自分らしくやろう」と区切らなければ、なかなかこの呪縛からは逃れられないでしょう。

僕も、受験勉強を経験したので、当然、成績を気にしたり、試験に落ちればへこんだりもしてきました。親からの期待やプレッシャーも感じていましたし、他人の価値観に呪縛されていた時期があったのです。

それが解けたきっかけは、自分が同性愛者であると自覚したことでした。僕の場合、はっきり自覚したのがちょっと遅くて、医学生の時でした。

「これはもう変わらないな。結婚できないし、子どもも持てないだろう」

そう考えると、他人との比較は、すべて無意味になったのです。比較しても仕方がない。それなら自分らしくやるしかないと考えるようになり、だんだんと他人とはちょっと違う考え方を導入していくということが、身に付いていきました。

こういった踏ん切りや、大きなきっかけがないとできないことなのかもしれませんね。

誰とも比較されない「自分だけの価値」

他人と比較されない場所に、自分の価値をちゃんと見つけてあげることが大事ですね。

精神科医Tomy氏。ツイッターのフォロワー38.7万人など、多くの支持を集めている(イラスト © カツヤマケイコ)

例えば、会社で評価が上がった、下がったということばかり気にしていたとしても、「仕事はもちろん大事だけれども、それがすべてではないよね」とも考えられます。

子どもを育てたり、夫婦の生活があったり、趣味で活躍したり、自分にはいろんな生活の基盤があって、それぞれの場所に自分のペルソナがあるわけです。

いろいろな価値観がある中で、1つの物差しだけで見ることはないと考えるようにしていけば、少しずつ見え方が変わるのではないでしょうか。

ただ、なかなか価値観は変えられませんし、いまの自分を認めようと思いながら、認められないことに苦しんでいる人も多いものです。

そこで、自己肯定するということではなく、まったく違う発想をしていただきたいというのが、僕の考えです。

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