父46歳、息子2人とアメリカ7000kmの旅で見たもの ネバダの砂漠で感じた「親の役割の終わり」

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息子たちと、アメリカ中をキャンピングカーで巡った。「パパと息子」という関係から、「男と男」の関係に変わった3週間だった(写真:『自分を探すな 世界を見よう 父が息子に伝えたい骨太な人生の歩き方』より)
「99%の『やりたい』ではなく、1%の『やる』が夢を現実にする。未来を生きる君たちには『やる側』でい続けてほしいんだ」。息子たちと走ったアメリカ7000キロのキャンピングカー旅で、父である田端信太郎氏が考えた「自分で人生を選び取るために本当に必要な考え方」とは何か。
リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOと大企業から最先端企業に引き抜かれ、個性の強い経営者の横で戦い、実績を積んできた最強ビジネスパーソン田端氏が、自分軸、学び、家族や仕事、男論などを「社会人となった息子への手紙」という形で人生哲学を語った(『自分を探すな 世界を見よう 父が息子に伝えたい骨太な人生の歩き方』から一部を抜粋・再構成して紹介します)。

「父親という役目」の終わり

アメリカネバダ州。文字通り何もない、誰もいない砂漠の荒野。私は路肩にクルマを停めて息子を待っていた。砂漠の中の、永遠に続いているようにさえ見える一本道を、はるか遠くのほうから息子が歩いてきた。

その姿が、針で突いた点のような小さな影から、徐々に大きくなり形を帯びていく光景を、私はじっと見つめていた。時間にしてほんの5分足らずだっただろうか。しかしその5分は、私に、息子と過ごしたこれまでの年間を思い起こさせるには十分な時間だった。ここ最近、急に背が伸びてきた息子は、もうあと何年かで私の背を抜くことだろう。

「この後、私が立つ場所を通り過ぎて、彼の道を歩んでいってほしい」

灼熱の太陽の下、ふとそんなことを思った。

2022年夏。46歳の私は、13歳の長男と7歳の次男を連れて、旅に出た。男3人で3週間かけて、アメリカ中をキャンピングカーで巡った。

あの旅は、私にとって本当に最高の旅だった。クルマを走らせながら、「ああ、俺はこういう旅をしたかったんだ」と心の底から思える、死ぬまで忘れないような、魂が震える瞬間が何度もあった。魔法のような3週間だった。

そしてあの旅は、息子たち2人と行ったことに、とても大きな意味があったと、父である私は感じた。

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