どうして、浪人経験者にインタビューをするようになったのでしょうか。浪人生活で彼はどう変わったのでしょうか。
平山さんは滋賀県の甲賀市で生まれ育ちました。明るく成績もいい活発な少年は、高校受験のために引っ越した大阪で、府内屈指の進学校である大手前高校に進学します。
進んだ高校でも文武両道で、陸上で学年1位のタイムを叩き出すほど運動ができたうえに、勉強も360人中19位と上位でした。
「自分に自信がありました」と語る平山さん。しかしこの自信こそが、大事な時期に人生初の挫折を引き起こす要因となります。
「高校3年生のとき、『自分ならいける』と思って女の子に告白してふられました。それだけならよかったのですが、周りにそれを言いふらされて陰口を叩かれるようになったんです。軽いいじめみたいな感じで、何をやるにしても周囲の目が気になるようになり、勉強に身が入らなくなってしまいました」
これがきっかけで、大きく精神のバランスを崩してしまったそうです。
「自習室に行くとストレスで唾液がたまるようになりました。模試を受け始めて本格的に進路を考える時期だったので、それが大きなブレーキになってしまったのです。学校の成績は良かったのですが、志望校の神戸大学はずっとE判定のままで、センター試験本番も67%(611/900点)で出願者のほぼ最低点。『二次試験で巻き返せる!』という謎の自信があったのですが、結局落ちてしまいましたね」
現役時の受験は全落ち
落ちた神戸大学経営学部以外にも、滑り止めで同志社大学と立命館大学など合計10学部受けましたが、いずれも受からなかったようです。
「立命館大学は最低合格点にあと2点足りず落ちた学部もありました」
こうして、現役の受験は全落ちで終わりました。
現役時の受験結果を受けて、平山さんはすごく落ち込んだそうです。
「親戚の中でいちばんいい高校に行って将来を期待されていたので、結果に応えられない自分が情けなかったです」
浪人を決断した理由はシンプルで、「周囲が浪人して当たり前の環境だったから」でした。
「自分がいた学校は同期で専門学校に行く人が1人いるくらいで、大学に行かないという選択肢はなかったのです」
浪人をするにあたって、彼は落ちた理由を自分なりに分析し、「勉強に集中できなかったため」と振り返ります。
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