「立命館や同志社の合格発表の実況動画を5学部連続で出したんです。僕はゲーム配信者が顔出しでカプセルトイを回して中身を見せる『50連ガチャ』と呼ばれる動画が好きでした。だから、合格発表の実況中継でそれをやろうと思ったのです。大阪大学のYouTuber『はなお』さんがすでに合格発表の動画を出していたのですが、5学部連発や、受かっても落ちても結果を見せるという動画は初めてでした。それで登録者が300人増えて、のちのYouTube活動の基盤になったんです」
結果は同志社大学が全落ちで、立命館大学に2つ落ちて2つ合格。「全勝じゃなかったからこそ、余計に受験生に共感していただけたのだと思います」と語る平山さんは、その後も合格発表の様子を投稿。神戸大学に落ちたときの様子や、後期で受けた滋賀大学に受かったときの様子を臨場感たっぷりに配信し、同年代の学生の支持を集めました。
「神戸大学に落ちたのは残念でした。でも、滋賀大学に受かったときは嬉しかったですね。YouTubeをやりながらの受験は、当時は考えられないことでしたが僕にとってはいい選択だったと思います。今、YouTubeは自分の人生そのものです。浪人したからこそYouTubeに出会えたので、本当に良かったと思います」
“マイナス”の浪人を“プラス”に変えた4年間
立命館大学と滋賀大学で悩んだ末、「地方の大学のほうが視聴者からも共感してもらえるし、ひっそりとYouTubeをやるには適している」と思った平山さんは滋賀大学に進学しました。
平山さんは現在23歳で大学4年生。昨年秋、残りの単位を卒業論文のみの状態にして大学を休学し、YouTube活動を続けています。
彼は浪人して良かったことを、「精神年齢が上がったこと」だと振り返りました。
「今まで自分はずっと完璧な人間だと思い上がっていました。でも、つまずいたことで自分のことを見つめなおせて謙虚になれました」
がんばれた理由も、その失敗からくる劣等感が大きかったからだそうです。
「高校の成績は良かったのに、受験では全落ちして、自分ってこんなにひどい人間だったんだと思ったんです。進学校だったし周囲にすごい人が多かったから、このままでは同窓会に行けないと思いました。かつての自信がみなぎっていた自分に戻りたいと思ったのでがんばりました」
浪人時の受験結果には現在も物足りない思いもあるそうですが、YouTubeに注力したことで、今は同世代に比べても劣っているという認識は無くなったそうです。
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