「虐待・夜逃げ」壮絶家庭で浪人した彼女の絶望 受験費用等も自ら工面、えんじてゃさんに聞く

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えんじてゃさん(写真:えんじてゃさん提供)
浪人という選択を取る人が20年前と比べて2分の1になっている現在。「浪人してでも、志望する大学に行きたい」という人が減っている一方で、浪人生活を経験したことで、人生が変わった人もいます。自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した濱井正吾さんが、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったこと・頑張れた理由などを追求していきます。今回は幼少期からの虐待や度重なる夜逃げを乗り越えて受験勉強に励み、受験料・入学金・授業料がゼロの国公立大学を探して、1浪の末に愛知県立大学に入ったえんじてゃさんにお話を伺いました。

みなさんは勉強することについてどう思いますか?

物心つく前から塾や学校に入り、娯楽を我慢して勉強してきた方々にとっては、必ずしもいいイメージのあるものではないと思います。きっと「好きではない」、「面倒だ」といった回答が返ってくるのではないでしょうか。

しかし、今回インタビューをしたえんじてゃさんは、そもそも「勉強ができない」環境で育ちました。彼女の半生は壮絶でした。虐待・夜逃げ、精神病棟への入院・・・・・・。そんな家庭で学校すら通わせてもらえない時期があったにもかかわらず、自分の意志で浪人して金策を考えながら勉強し、不屈の闘志で国公立大学に合格した人です

壮絶な環境からどう立ち直ったのか。合格を可能にした要因はなんだったのでしょうか。

中卒の父母に虐待を受けた幼少期

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えんじてゃさんの生い立ちは壮絶の一言。生まれは横浜の寿町、父親はヤクザで母親は孤児院育ちでした。また、親戚は宗教に1000万円以上献金する祖母を筆頭に貧乏で、集まるたびに金の無心をし合っていたそうです。

そんな劣悪な環境で彼女は虐待を受けて育ちました。

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