「2年生から映像授業の予備校に通っていたのですが、何も頭に入っていないのに映像を2倍速で流して聞き、勉強をした気になっていました。3年生になってからは失恋でヤケになったこともあって、さらに勉強がどうでもよくなりました」
この意識は浪人することで劇的に変わったと言います。
「浪人で通う駿台予備学校の学費を見て、1年で100万円以上かかることを知り驚きました。それで親に申し訳ないという意識が芽生えて、自分で工夫して集中して勉強できる方法を模索したんです。その結果、周囲の目が気になる自分は自習室で勉強できないから、食堂で勉強をするようにしました。それからは、登校してから夜9時まで10時間ほどの勉強を集中してできるようになりましたね」
こうした努力は着実に実を結び、夏の神戸大学の冠模試(大手予備校が各大学の出題傾向に合わせた問題を出題)で6位を獲得。A判定の中でも最上位にいて、「これはいける!」と思ったそうです。
YouTubeの動画投稿を始める
彼はこの結果を受けて、YouTubeでの動画投稿を始めました。
「高校時代、『大学に行ったらYouTubeをやる』と言っていた友達と会ったんです。最初はヤバい人だと思ったんですが、浪人を始めてストレスが溜まりすぎて、家にいても幻聴が聞こえるようになっていたんです。だから、自分も楽しいことがしたくて音楽を上げていたその友達のチャンネル制作を手伝い、PV動画に出演していました。実は自分のYouTubeチャンネルを開設したのは、友達のチャンネルに視聴者を誘導するためだったんです。それで受験生の層を取り込もうと思って、自分のチャンネルに『神大模試で6位を取りました』という動画をあげました」
周囲の目を気にする平山さんがYouTube発信を始められたのも、「受験のためにスマホを解約して友達の連絡先をすべて絶っていた」ことが大きかったようです。
息抜きで始めたYouTubeもほどほどに、受験勉強を続けた平山さんの学力は、数学の偏差値が80を記録するほどに到達します。センター試験の結果も79%とまずまずで、この結果を受け神戸大学に出願しました。
滑り止めの私立大学も立命館大学、同志社大学、近畿大学など10学部に出願。進路への緊張感が最大限に高まるこの時期に、平山さんは最初に受けた近畿大学に合格したことで心の余裕も生まれ、YouTubeにある動画を投稿する決断をします。
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