起業家が資金調達を考える際の有力な候補の1つに、ベンチャーキャピタルがある。
シリコンバレーの著名なVC、アンドリーセン・ホロウィッツの最初期のメンバーであり、起業家としての経験も持つスコット・クポール氏の著書『VCの教科書』から、VCがアーリー・ステージの投資先をどのように判断するのかについて、抜粋・編集して3回に分けてお届けしよう。今回は3回目となる。
なぜ大規模な市場が好ましいのか?
VCがアーリー・ステージで投資機会の評価に用いる基準として、人、製品、市場がある。
前々回では人について、前回は製品について見た。ここでは、「市場」について解説しよう。
VCにとって最も重要なものは、創業者が追求する市場機会の最終的な規模ということがわかっている。
不動産についての格言が、「1に立地、2にも3にも立地」ならば、VCの場合は、「1に市場規模、2にも3にも市場規模」だ。大規模な市場が好ましく、小規模な市場は好ましくない。
その理由は?
大きな市場のルールは、べき乗則カーブと「本塁打率」の説明から直接導かれる。
VCが正解よりも誤りが多いならば、また、VCとしての成功(または失敗)が投資の20~30%をホームランできるかどうかの結果であるならば、勝者の規模だけが重要になる。
ベンチャー投資の犯す誤りは、カテゴリーを正確に選びながら、正しくない企業を選ぶことだ。それに加えて、あと2つの誤りがある。
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