ロシアとウクライナ「民族の起源」巡る主張の対立 ウクライナと呼ぶようになったのはなぜなのか

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ロシアとウクライナの歴史を紐解きます(写真:Tak / PIXTA)
「世界各地の民族紛争はなぜ起こるのか」「各地の民族はなぜその土地土地に存在し、これからどこへ向かおうとしているのか」――。民族にまつわるそうした疑問に対する答えは、多くは「血統と起源」から探ることができます。そうした視点から人類史を読み解く、著述家の宇山卓栄氏の新著『世界「民族」全史』を一部抜粋・再構成し、ロシアとウクライナの歴史を紐解きます。

ウクライナ人もロシア人もリューリクが率いたルーシ族に共通の起源を持ちます。

ルーシ族はロシア北部に862年、ノヴゴロド国を建国します。その後、リューリクの親族であったオレーグはビザンツ帝国との交易の拠点となっていたキエフ(キーウ)に南下して制圧します。キエフはドニエプル川の中流に位置する現在のウクライナの首都です。

キエフ公国の始まり

オレーグは882年、ノヴゴロドからキエフに本拠を移します。これがキエフ公国のはじまりです。この時代、ロシアやウクライナに王は存在せず、各地に豪族らが割拠し、分裂状態でした。豪族らは「公」を意味する「クニャージ」を名乗っていました。

キエフ公国の君主も「クニャージ」を名乗りましたが、キエフ公国は他の公国よりも国力が強く、主導的な立場にあったため、君主は「大公」を意味する「ヴェリーキー・クニャージ」を名乗っていました。ちなみに、ノヴゴロド国は「王国」でもなく、「公国」でもないのは、リューリクが王でも公でもなく、ルーシ族の族長という立場に過ぎなかったからです。

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