WBCで熱狂!「野球実況」で英語を楽しく学ぶコツ 映画「マネーボール」で実用的な英語を学ぶ
映画やドラマでの語学学習は上級者向けに感じるが、田村さんはデータを用いて「多くの映画作品はその国の小学校高学年から中学生が見ても理解できるので、語彙はそう難しくない。『マネーボール』はTOEIC600点、英検だと準2級~2級レベルの学習者のリスニング学習に最適です」と話す。
リスニング難易度の指標の1つであるWPM(1分あたりのワード数)で比較すると、「ネイティブの会話は約160、早口の人だと200くらい。TOEICは平均150台なのですが、『マネーボール』の会話部分は平均114です。また、映像もあるので聞いたことのない単語の推測の助けになります」(田村さん)。
幾嶋社長は「最初は日本語字幕で作品を楽しんでほしい。何度でも見たいと思うような作品に出会えたら、英語学習は半分終わったようなもの」と言う。日本語字幕で響いたフレーズを真似したり繰り返したりし、リスト化すると効果的だ。
「勉強しているが伸び悩んでいる」「なかなか身に付かない」学習者には、さまざまな教材や学習法に手を出すことをやめて、「1本の映画を覚えるくらいまで英語で見てほしい」(幾嶋社長)。
あれこれ試して効果が出ない人は、知識やリスニング、発音が定着する前に見切りをつけている可能性が高く、「参考書でも映画でも、1つのコンテンツをやりこむことが大事」とのことだ。
「映画を1作品覚えるまで見ると、2作品目以降での学習が楽になり、10作品を叩き込めば日常会話はだいたい聞き取れるようになる」(幾嶋社長)。
今の日本人に刺さるフレーズ
最後に、『マネーボール』に登場する台詞で、WBCに夢中になっているすべての日本人に刺さりそうなフレーズを紹介したい。統計学に基づき選手を集め試合中の戦術も一変させたオークランド・アスレチックスのGM、ビリー・ビーンは、当初現場の猛反発を受けるが、チームは途中から波に乗り奇跡の20連勝を果たす。
そこでビリーが発したのが、“It’s hard not to be romantic about baseball”(人は野球に夢を見る)という言葉だ。
多くの選手が本業を持ち、有休を取ってWBCという夢舞台を満喫したチェコ代表、日本代表としてプレイすることを目指して来日したアメリカ国籍のヌートバーなど、私たちはWBCを通じてたくさんの野球に関する夢を知り、感動をもらった。ガチの野球好きもにわかファンも、共感できるフレーズだろう。
田村さんによると、“It’s hard not to (do)”「〜せずにはいられない」は、日常会話でも使いやすい表現だそうだ。
「“It’s hard not to sing in the bathroom.”(お風呂で歌わずにはいられない)といったように、さっそく取り入れてみてください」
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