WBCで熱狂!「野球実況」で英語を楽しく学ぶコツ 映画「マネーボール」で実用的な英語を学ぶ
「典型的な言い回しは“It’s going, going, gone!!“で、日本語だと『伸びる、伸びる入った~!』という感じでしょうか。マネーボールでは実況が“That one is gone!”と言っており、これもよく言われます。また、“That baby is gone!” という表現もありますよ」
ちなみに「大谷、文句なしのホームラン」だと、“(Otani,) That’s a no-doubter”“No-doubter home run”となるそうだ。
満塁は“Bases loaded”。“load”は「積む、載せる」という意味だが、野球のシーンでは「全ての塁にランナーがいる状態」を指す。
「2アウト ランナー1、3塁 3ボール 2ストライク」は“Two out. Runners at first and third. And the 3-2 delivery.”。“delivery”は「配達」という意味で最もよく使われるが、野球だと「投球」を意味する。
田村さんによると、動詞の“deliver”は「離れる」を意味する接頭辞“de”と、「自由にする」ラテン語の動詞“liberate”から成り立っており、“deliver a speech”(スピーチをする)、“deliver a baby”(出産する、赤ちゃんが母親から放れ独立した存在となるイメージ)、“deliver a result”(結果を生み出す)など、日本語にするとかなり広がりがある。
「“deliver a ball” も、ボールが投手の手元から離れて、捕手の元へ届けられるというニュアンスで理解するとdeliverの感覚がつかみやすいのではないでしょうか」(田村さん)
野球実況にはビジネス会話に応用できる言い回しも多い。
ビジネス会話に応用できる野球実況
“The Oakland A’s are completely out of hand at the moment.”(アスレチックス 手に負えません)のフレーズ。
「“out of hand”は直訳すると手の中に収めることができないとなり、日本語では手に負えないというニュアンスになります」と田村さん。
作品中のフレーズでは、絶好調のチームを表現しているが、ビジネスや日常シーンでは、“Let me know if things get out of hand.”(手に負えなくなれば教えてください)というように使える。
Globeeの幾嶋研三郎社長は元々英語が得意だったが、慶応義塾大学に入学後、帰国子女などの同級生と比べて会話力が低いことにショックを受け、動画配信サービスのネットフリックスを使ってリスニングや会話を学び始めたという。
在学中の2014年に英語学習を支援するGlobeeを設立し、TOEIC対策は早くから人気サービスになったが、自身の経験も踏まえ「日本人の英語学習の課題は、高学歴で英語をきちんと勉強してきた人も会話に自信を持てない点」と指摘する。
そんな「ある程度単語や文法の勉強をした日本人」には、自分の好きなジャンルの娯楽作品で学習のハードルを下げ、実践的な会話力を身に付けることを勧める。
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