「7浪で一橋に合格」父と先生が放った強烈な一言 一橋にこだわった理由、猛勉強した彼のその後

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「一橋大学は難解な記述問題を課します。だから、大学生がやるような勉強を先取りして専門的な新書を読んだり、文章を書く練習をしたりする必要がありました。だから、大学で真面目に勉強することが、一橋大学の入試に全部つながると確信していたのです」

2年生のときには冬学期に1コマ90分の授業を週に19コマ受講していたそうで、4年生になると卒業要件単位の120の倍以上である245単位をとっていたそうです

ささちかさんは岩手大学卒業までは再受験できるような環境にない、と判断し、5浪目となる岩手大学4年生のときに、4年ぶりにセンター試験を受けます。

しかし、自信を持って挑んだ試験では大失敗。1浪目より低い68%(544/800点)に終わり、一橋大学経済学部を出願するも第一段階選抜で不合格になってしまいました。

「このときは目の前が真っ暗になり、この先の人生をどうしようと思いました。一橋の二次に対応できる知識はつきつつありましたが、センター試験の対策まではできていなかったのです」

4年分の思いが水泡に帰してしまったささちかさん。しかし、この悔しさを忘れないため、彼はある行動を取ります。

「合格発表の日に一橋大学まで行きました。そこで喜ぶ周囲の人たちを目に焼き付けて、この悔しさを絶対に忘れないと思ったのです」

まだ、彼の目は闘志が宿っていました。

大学時代の縁が一橋への道に

一橋受験に魂を燃やした4年間を過ごしたささちかさんは、試験後に慌てて就活をして神奈川の私立の中高一貫校に非常勤講師として採用が決まります。ここでの経験がさらに彼を奮い立たせました。

「社会科1つとっても満足に学生に勉強を教えられず、もっと勉強が必要だと痛感しました。それで一橋大学に行きたいと改めて強く思ったのです」

6浪の年にこう考えた彼は、1年間みっちり一橋対策をして臨もうと決めます。6浪目は月曜から土曜日のうち3日、7浪目は5日出勤するハードな日々の中で、オフの日をうまく使い、自分の稼いだお金で代々木ゼミナールの夏期講習・冬期講習・直前講習を受けました。

そして、さらに受験の追い風となる縁もありました。

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