「でも、心の支えになってくれる人は欲しいなと思っていました。すべてにおいて私に賛成しなくてもいいので、全体として最終的には私の味方になってくれる人、です。男友だちもいますけれど、同じ場所には帰れないしハグしたりもできません」
「バツ3」であることも高評価の要素
明子さんのような結婚願望を口にする独身者は少なくない。ただし、赤の他人が最初から「心の支え」になってくれることはあり得ない。そんなことを口にする人がいたら自分に酔っているか邪な狙いがあるかのどちらかだろう。
気の合う人同士が一緒に暮らし、助け合ったりケンカしたりする過程で、徐々にお互いがかけがえのない存在になっていく。それが結婚なのだと思う。大恋愛である必要はないけれど、「気が合う」ことは重要だ。
会話が大好きな明子さん。淳平さんの「一問一答ではなくてテンポも速い」話し方に最初から心惹かれたと明かす。寂しがりで一緒に住みたがるけれど、基本的に一人でも行動できるところもよかった。さらには、淳平さんが「バツ3」であることも高評価の要素だったという。
「3回も離婚したのではなく、3回も籍を入れたことがすごいと思うんです。それだけ責任を負ってきたのは、エネルギーが大きくて愛情深い人なんだなと思います。3回も誰かに結婚相手として選ばれたという点もすごいです。1回も結婚したことがない私としては尊敬に値します」
独特な価値観にもとづくのろけ話を聞かせてくれる明子さん。しゃべりながらもよく動く人だ。出してくれたポテトサラダやキャロットラぺ、ソーセージやニンニク、たまねぎなどを入れた「ギュウギュウ焼き」などを美味しく食べていたら、淳平さんが帰って来た。お帰りなさい。お邪魔しています。
「どうも、はじめまして。今日はね、中国のお正月らしいですね。おめでたいですね。過去3回の結婚の話が出たんですか。全員美人でしたね。二枚目な私には当然ですけど。でもね、美人はプライドが高いので難しかったですね。離婚は仕方ありません。なんくるないさー、ですよ」
初対面の筆者に対して緊張しているのだろうか。反応しづらい話を饒舌に続ける淳平さん。でも、彼に惚れ込んでいる明子さんは嬉しそうだ。
「なんでそんなに自己肯定感が高いの~。でも、僕なんてとウジウジしている男性よりもポジティブなほうが絶対いいです!」
筆者はポジティブ過ぎる発言を繰り返す人にはむしろ自信のなさを感じてしまう。自分の心の揺れを他人に見られたくないから、表面的な明るさで覆い隠している気がするのだ。彼の軽いトークにはあまり反応せずに黙っていると、淳平さんは少しずつ胸の内を明かしてくれた。
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