「老舗の不祥事」賢いダメージコントロールとは 顧客プライバシー保護が甘かった「池田屋事件」

新撰組が京の宿に押し入り尊攘派を襲撃
「池田屋事件」といえば、幕末の重大事件の一つに数えられるでしょう。京都市内の旅籠(はたご)である「池田屋」に、尊王攘夷(じょうい)派の志士たちが集結するという情報がリークされ、京都守護職の下で尊攘派の弾圧を主な任務としていた新撰組がこれを襲撃。多くの尊王の志士がここで落命し、尊王攘夷の道は一歩後退。逆に新撰組は浪人出身の隊でありながら、京都の治安を守ったという評価を得る……とまあこういう話かと思います。もしこれが現代であれば、そもそも宿泊客のプライバシーを守れなかった池田屋はもっと批判を受けてもよいのではないでしょうか。
例えば私が帝国ホテルに電話をかけます。「そちらに本日、桂小五郎さんは宿泊されていますか?」といくら聞いても情報は絶対に出さないと思います。あるいは「桂小五郎さんの部屋番号を教えてください」と言っても、こちらも絶対に教えてはくれないでしょう。
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