新選組「強さの秘訣」は結局、何だったのか? 教科書が教えない「剣と規律」以外の真因は
幕末期、新選組は尊攘派志士が最も恐れた存在だった。有名な池田屋事件をはじめ、京都で倒幕をたくらむ尊攘派を多数殺害・逮捕し、天下に名をとどろかせたのだ。
なぜそれだけの活躍ができたのか。その要因は、局長の近藤勇や沖田総司ら隊士個人の資質もさることながら、もうひとつの重要な「秘訣」なくして不可能だったという。
「日本史を学び直すための最良の書」として、作家の佐藤優氏の座右の書である「伝説の学習参考書」が、全面改訂を経て『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』として生まれ変わり、現在、累計20万部のベストセラーになっている。
本記事では、同書の監修を担当し、東邦大学付属東邦中高等学校で長年教鞭をとってきた歴史家の山岸良二氏が、「新選組、強さの秘訣」を解説する。
「新選組局長、近藤勇」の埋葬地がついに判明?
今年2017年は、大政奉還から数えて150年の節目の年にあたります。
当時、京都を舞台に活躍していたご存じ「新選組」の局長近藤勇は、大政奉還の翌1868年に新政府軍に捕らえられて処刑され、埋葬地はわかっていませんでした。
ところが最近になり、彼の愛刀である「阿州吉川六郎源祐芳(あしゅうきっかわろくろう みなもとのすけよし)」に添付されていた伝来覚書から、彼の首はひそかに会津に運ばれて埋葬されたという記述が見つかり、大きな注目を集めています。この刀は、京都の霊山歴史館に収蔵・展示されています。
新選組は、現在も多くの歴史ファンに愛されていますが、その最たる魅力は彼らの「強さ」でしょう。
では、なぜ新選組は強いのか。一部にささやかれる「厳しい規律」こそが、本当にその理由のすべてだったのでしょうか。
今回は、新選組の「強さ」をテーマに、当初は臨時の寄せ集め集団だった彼らが、いかに強い軍団となり得たのか、その「秘訣」について解説します。
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