「では、やはり怒鳴ることはやめなければならないのではないか?」と思うかもしれませんが、ここで次のことを考えてみてください。
「怒鳴ることはやめたほうがいいです」と言われたら、一般的に「怒鳴ることを我慢する」方向に進むのではないでしょうか。それが感情のコントロールであると。
怒鳴ることを我慢している間は、心は怒鳴ることを意識しています。その結果、一時的に怒鳴らなくなっても、その怒りのエネルギーは蓄積し、やがて別の場面で大きな“噴火”を起こす可能性は否定できません。
つまり長期的にみれば、我慢することで、怒鳴るエネルギー量が減るどころか増えているかもしれないのです。ですから筆者は「怒鳴ることをやめたほうがいい」とは言わないようにしています。
子どもとできる「怒鳴ること」への対策
では、ここからが具体的な対策のお話になります。
怒鳴ることをやめずに、怒鳴ることを減らすにはどうすればいいでしょうか?
それは「子どもと共通の話題を持つ」「子どもと“雑談”の時間を積極的に取る」ことをお勧めしてします。
人は一度に2つの相対する感情を心の中に同居させられません。例えば、ワクワクしながらイライラすることは通常できません。つまりマイナスの感情を減らしたいのであれば、プラス感情が湧き出る時間を多くすれば、結果としてマイナスは減っていきます。
また、怒鳴ることを意識しているうちは、心がそれに支配され、怒鳴り続ける結果になります。
ですから、怒鳴ることをやめようとするのではなく、別のことに意識を向かわせるように行動を起こしてみてください。
いくつか事例をご紹介します。
(1)「最近、猫を飼い始めたのですが、それによって親子喧嘩が、大げさな話ではなく驚くことに10分の1に減りました」
→「え?それで変わるの?」と思うかもしれませんが、意外とシンプルに人間の感情は変わっていくものです。もちろん、猫である必要はありません。親子で共通の話題になることや媒介してくれる存在があるだけで変わっていくものです。
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