「子どもを怒鳴る親」を脱出する"180度逆"の秘策 問題は怒鳴ることを「続ける」ことにある

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(2)「家だと親子という閉じた人間関係になるので、ママ友とそのお子さんと一緒に遊ぶなど、とにかく自分自身が癒やされる時間、楽しい時間を作ることが大事だと痛感しています」

→子育て中はなかなか自分の心を上げていく時間を確保することが難しいこともあります。しかし「忙中閑あり」という言葉もあり、短い時間でも見つけることや、子育てそのものを観察対象としてアウトプットしていく方法もあります。観察しているときは感情が後退するためイライラが減少していきます。

親子関係にこそ雑談をたくさん取り入れたい

(3)「雑談や諭すことを心がけていたら、怒りの感情が出てこなくなりました。怒るのを我慢することとも違う何か不思議な感覚で、注意や指導する事はあってもイラつかないようになりました」

→筆者は雑談の効果についてこれまでさまざま発信してきました。上下関係がないテーマである雑談をすることで両者に信頼関係が生まれることが知られていますし、そのような報告を実際多数受けています。

人間関係全般にわたり、雑談の効用は大きいといわれていますが、親子関係にこそ雑談をたくさん入れてみてください。さらにその結果として、子どもが自主的に勉強するようになった事例は枚挙にいとまがありません。

以上まとめると、「怒鳴ることをやめるのではなく、怒鳴ってしまってもいい。それはそれで終わらせ、別のことに意識を使っていきましょう」ということです。

すると、いつの間にか怒鳴っていない自分に気づくことができると思います。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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