最も簡単な仕組みとしては、お子さんがマイペースで朝の支度に時間がかかるのであれば、早く起きればよく、そのためには早く寝るというサイクルを作ってゆとりを持たせる仕組みを作ります。もちろん、生活パターンが各家庭によって異なるので、どのような仕組みにするかは実情に合わせて検討する必要があります。
しかし、仕組みを作っても、効果が出るまでに一定の期間がかかります。それまでの間に親のイライラが出てきて、また声かけ(怒鳴り)に変わることもあるので簡単ではありません。
「叱る・怒る」の問題点は「続ける」こと
声かけにしても、仕組みにしても、感情のコントロールが重要です。安西さんが自らの感情のコントロールを図ろうとさまざま努力されてきたことはすばらしいと思います。しかし、それはもうやめたほうがいいと思います。
もちろん、感情のコントロールができる人はそのまま行えばいいのですが、これまでいろいろ試してみて難しい結果だったということは、「そもそも怒鳴るという感情をコントロールしようとすること自体が適切ではない」ともいえます。
以上から、安西さんのご質問への回答は「怒鳴ってもいいし、怒鳴った後は謝らなくていい」となります。
意外な回答に驚かれるかもしれません。
もちろん怒鳴ることを肯定しているわけではありません。実際、筆者はこれまで「子どもを叱り続ける人は知らない3つの原則」を記事や書籍でも書いてきました(参考記事)。
筆者は「叱る・怒る」が問題なのではなく、「叱り続ける、怒り続ける」ことが問題になると考えています。つまり、同じ状態が続いているのに、まだ同じ手段を使い続けてしまうことが問題だということです。さらに問題となるのは、怒った後に親が自己嫌悪に陥ることです。怒ること以上に自己嫌悪のほうがはるかに不健全であると考えています。
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