エビデンスに基づいたメンタルヘルスの本
――自己啓発本が多く出版されているなかで、あなたの本はなぜベストセラーになったのでしょうか?
エビデンスに基づいていることが評価されたのでしょう。わたしは臨床心理学者なので、この本に書いたことは最新の研究によって精査されています。その内容はセラピーでクライアントが教わることであり、誰もが使える、より良く生きるために必要なスキルでもあります。
誰でも、気分が落ち込む日や、ストレスや悲嘆、不安を強く感じる日があります。それは人間として当然のことなのですが、正しいスキルを知らないと、対処できなかったり、圧倒されてしまったりします。また、パンデミックを経験している今、多くの人は、「どうすればこの状況を切り抜けられるのか?」と考えていることでしょう。
――なぜソーシャルメディアを利用しようと思ったのですか?
セラピーをしていて感じたのは、クライアントの大半は、セラピーの一部が教育であることに気づいていないということです。クライアントはセラピーで多くのことを語り、自らの問題に取り組みますが、同時にクライアントは心の仕組みについても少しずつ学び、どうすれば気分や感情をうまくコントロールできるか、どうすれば日々のメンタルヘルスを良好に保てるかを学ぶことにもなります。
そうしたセラピーの教育的側面はきわめて有益で、クライアントはメンタルヘルスをコントロールする能力がアップしたことを実感します。ですから、わたしはセラピーを終えて帰宅すると、いつも夫にこう言っていました。「こうした知識を誰もがもっと気軽に利用できるといいのに。基本的なことを知るためにわざわざわたしのところに来る必要はないわ」。すると夫はこう返しました。「だったら、そうしよう。YouTubeか何かにアップすればいいんだ」。
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