職場の居心地がとってもいい人がハマる落とし穴 もやもやする人はいきなり転職ではなく副業を

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・自社での副業・兼業の先例を聞く。実際に仕事を持ちながら副業・兼業することの面白さはもちろんですが、時間的・精神的・身体的な大変さもあろうかと思います。分からないことは先達に聞きながら、副業・兼業の越境としてのメリットを確認します。

・自社で認められていたら、副業・兼業先を探す。企業、NPO・NGO等の組織・団体等が考えられます。多くの求人サイトでは、副業・兼業可の案件を取り扱っています。一部を確認するだけでも、業種・職種・勤務時間や条件等が多彩であることが分かります。それらを比較検討する際に、自社の仕事との距離感を考慮してみてください。

・自分の経歴・経験や価値観等をふりかえる。

・副業・兼業先にアクセスして、面談(面接)を行なう。このプロセスは転職をすることと変わりません。唯一異なることがあるとするなら、副業・兼業として働くか否か、ということでしょう。なぜ副業・兼業として働きたいかの理由を、相手先に対してきちんと説明することが大事です。また、副業・兼業の期間や辞める際の条件等についても確認しておくことが必要です。辞めるに辞められない状況になってしまうことだけは避けなければなりません。

・副業・兼業先との合意が得られれば、越境してみます。

副業・兼業は、自分の仕事を持ちながら行なうことになります。他企業と合同で行なわれる研修よりもさらに大変かもしれません。ただし、〝異業種研修〞とは異なり、副業・兼業は明確な経済的成果が求められることが多い。覚悟は必要ですが、コミットすると刺激的な越境経験を積むことができると思います。

副業・兼業では、基本的に本業の仕事とは違うことをやることになります。そうなると、本業とは異なる考え方や行動を迫られることになります。本業と兼業、両方とも真剣にやっていると、個人に2つの人格が生じてきそうです。違うもの同士をつなげる新結合が、ひとりの人間の頭脳で起きる。本業と兼業との距離が離れていればいるほど、事業や仕事の内容が異なれば異なるほど、思いもよらぬ創造が生まれる可能性もあります。

また、自社の強みや自分の仕事の提供価値の根幹を踏まえ、副業・兼業先のさまざまなコトと比較することで、恐らく自社や自分の仕事の再認識や再定義ができると思います。相対化です。そして、自分の会社も捨てたものではないなぁ、と感じることもあるでしょう。

副業で起業し、経営の生々しさを手に入れる

副業や兼業で雇われて仕事をするうちに、自分でやってみよう、という気持ちがもたげてくる場合があります。そんなときには副業で起業してみましょう。

他社・他団体で副業・兼業するのとは別に、副業で起業するという選択肢があります。起業というと株式会社や合同会社を設立するというイメージがありますが、フリーランサーと称される個人事業主も起業者です。起業とは、自ら新しく事業を起こすことです。代表者である自分に責任があり、自らが経営者になるのです。

副業として自分で事業をやることや、株式会社を設立することは、その事業全般を考えて行動するという観点で、雇われて行なう仕事とは根本的に異なります。ビジネス・パーソンとしての仕事は、代表権を持つ経営者でもない限り、機能分化された全体の一部分です。

一方、起業は全体を考える必要があります。顧客は誰で、事業(製品・サービス)は何で、どのような価値を顧客に提供し、他社とどのような差別化を図り、どのように収益を上げるのかについて、つねに考えて行動しなければなりません。

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