ビジネスパーソンの学びに「理由」がいらない訳 なぜ学ぶのか、その答えは後からやってくる
いきなり手段に走るな。
まずはWhyを問え。
おそらくこのメッセージは、耳にタコができるほど聞いている教訓だと思います。
思いつきのような手段ばかり打っている人がいたとしたら、「いきなり手段から考えるな。何を成し遂げたいのか、何が目的なのか、そこから考えろ」と指導されることでしょう。
しかし、「学び」の領域において、この教訓は必ずしも正しくありません。
Whyの問いを最初に追求してしまうと、必然性のある学びしか目に見えなくなる危険性があるからです。
たとえば、なぜかわからないけど「デザイン領域」に興味を持ったとしましょう。しかし、そこでWhyの問いかけをすれば、学ぶ理由の希薄さを自覚して、行動を抑制してしまう可能性があります。「冷静に考えれば、今の自分にあまりデザインは関係がないな」と。
そんな問いかけを繰り返していると、どうなるか。それは、「短期的かつ実務的に必要のありそうなこと」以外、目に入らなくなる可能性があるのです。
キャリアの賞味期限が短くなっている
もちろん、必要のないことなら学ばなくたっていい、と思う人もいるでしょう。しかし、本質的に何が必要になるかなんて、私たちにはわからないのです。
これだけ変化の激しい世の中、「これから何を学ぶべきか」ということほど難しい問いはないでしょう。
目標としていた仕事や役職があったとして、数年後にそれがそのまま残っている保証はどこにもありません。テクノロジーの進化、加速する組織の流動化などをあわせて考慮すれば、キャリアの賞味期限は驚くほど短くなっていると思っていた方が健全です。
だから、「数年後のこのキャリアを目指して、今からこれを学びます」というロジックは確実に裏切られると思っていた方がいい。
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