「戦争で外国の友人と戦える?」突撃取材した理由 「日の丸~寺山修司40年目の挑発~」監督に聞く
「日の丸」と言われたらまず何を思い浮かべますか?あなたは外国人の友達がいますか?その友達と戦えと言われたら戦えますか。そんな「日の丸」とそれにまつわる質問を監督自身が街頭を行き交う人々にぶつけたドキュメンタリー映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』が公開中だ。1967年に寺山修司が構成を担当したドキュメンタリー番組をアレンジした作品だが、なぜ今、28歳の若きテレビマンが「日の丸」について道行く人に聞いたのか。本作の制作経緯やテレビ番組と映画、演劇を手がけるなかで感じたことなどについて、TBS所属の佐井大紀監督に聞いた。
寺山修司構成の番組に刺激を受けた
――企画立ち上げのきっかけについてお聞かせください。
僕自身は制作部に在籍してドラマを作っていますが、フランスの「シネマ・ヴェリテ」(シネマ=映画×ヴェリテ=真実/手持ちカメラのインタビューなどでカメラの目の前の事実をそのまま伝えようとする映画)をテレビに応用した「テレビ・ヴェリテ」に挑戦してみたいと思っていたところに、TBSが毎年開催しているドキュメンタリー映画祭の企画募集がありました。
「テレビ・ヴェリテ」とは、劇映画的で映像実験的なドキュメンタリーで、1960年代に寺山修司やテレビマンユニオンの創設者であり、1967年版『日の丸』のディレクターの萩元晴彦さんが実践していました。
その「テレビ・ヴェリテ」の代表作のような『日の丸』が1967年に放送されて話題になっていたことは知っていたのですが、入社後、新人研修で実際に映像を観て、強い衝撃を受けました。そして、この番組の試みを、自分もやりたいと思ったのです。
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