「芸人かつ社長」東京進出めざす男の"3つの武器" 「二足のわらじ」を実現する!首里のすけの挑戦

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「僕くらい、賞レースにもガンガン出ている現役バリバリの芸人が、事務所代表っていないんじゃないですか。代表の頭でいると、どっかで頭が固くなるというか、面白いことを考えきれてない自分に気づいたんです。だから、あくまでも芸人が『主』であることを忘れずに兼務しています」

首里のすけにとって、原点である「芸人魂」だけは絶対に忘れない

「代表になっても、売れて億を稼ぐプレーヤーにならないと夢がないじゃないですか。芸人は売れてなんぼその思いがなかったらプロを辞めるべきです」

人をひきつけ、人を動かす「人間力」があるか

首里のすけには「自らが夢を掴んだプレーヤーになることで、沖縄芸人たちが夢を諦めずに突き進んでほしい」という思いがある。

「『努力すれば夢は叶う』と簡単に思わないでほしい」。首里のすけの目は、いつになく真剣だ。「誰でもできること」を努力とは言わない、「困難に打ち勝って成し遂げること」こそが努力だと自分自身に言い聞かせている。

芸人・首里のすけの夢を実現する大きなカギを握るのは、そうした努力の末に培われる実力や、運、タイミングもあるだろうが、最終的には、人をひきつけ、人を動かす「人間力」にあるような気がする。

首里のすけの挑戦は、決して他人事ではなく、私たちも注視する存在であるのは間違いない。

*この記事の前半:「東京で売れたい」"沖縄お笑い芸人"の大逆転人生

松永 多佳倫 ノンフィクション作家

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まつなが たかりん / Takarin Matsunaga

1968年11月29日、岐阜県大垣市生まれ。琉球大学卒業。琉球大学大学院人文社会科学研究科中退。出版社を経て2009年8月よりフリーランスとなり沖縄移住。ノンフィクション作家として沖縄の社会学を研究中。主な著書として、『確執と信念 スジを通した男たち』(扶桑社)、『偏差値70からの甲子園-僕たちは野球も学業も頂点を目指す-』(集英社文庫)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α新書)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(KADOKAWA)、『永遠の一球-甲子園優勝投手のその後-』(河出書房新社)など。

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