「男として終わった」更年期障害に悩む50代の深刻 欧米諸国と比べて「ED」になるケースも多い

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男性の更年期障害
男性の更年期障害も深刻です(写真:jessie/PIXTA)
人生やキャリアに悩みがちな50代。不調の原因は「更年期障害」かもしれません。女性だけでなく、男性にも症状が出ることがわかっています。健康社会学者・河合薫氏はこれまで900人超にインタビューを行い、40歳以上の人たちの「誰にも言えない本音」を聞き出してきました。多くの事例から導き出した、健康社会学的に有効と思われる対処法を伝授します。
河合氏の新著『50歳の壁 誰にも言えない本音』より、一部抜粋・編集してお届けします。

ちょっと前まで、女性たちが密室でしか話すことのできなかった話題が、新聞やテレビでも取り上げられるようになりました。その1つが「生理」。そして、「更年期症状」です。どちらも女性の問題であって、女性だけの問題ではありません。

男性にも「更年期障害」はある

男性の更年期症状は、1939年にアメリカで初めて報告されました。その後、欧米を中心に研究が蓄積され、現在はLOH症候群(加齢性腺機能低下症)という名称で呼ばれています。最近は男性の更年期症状を取り上げるメディアも、少しずつ増えてきました。しかし、実際に「更年期症状」と診断され、「私ごと」になるとその言葉が、実に重い。

「体調不良の原因がわかったことはよかった。でも、複雑なんですよね。更年期って、医師に面と向かって言われたときに、『男として終わり』と宣告された気分になった」

以前、更年期症状だと医師に診断された男性が、こう話してくれたことがありました。男として終わり──。なかなか辛い言葉です。女性でも「更年期」という言葉と「私」を紐づけるのは難儀なことなので、男性の場合は、なおさら深刻です。

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