「失敗を恐れる子」にこそ伝えたい考え方のスキル 「分解して考える」と悩みや不安は割と吹き飛ぶ

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金間:分解のスキルは、中学生ぐらいで差が出ているのではないかと思いますが、どうですか?

西岡:自分の現状分析や、計画を立てるという時に、差が出るように思いますね。

例えば、中学生の子に、昨日は何を勉強したのか聞くと、「数学を勉強してました」と言う子と、「数学のこの部分を2時間勉強しました」と言う子に分かれます。

金間:会議の報告と同じですね。先日のイベントについて報告を受ける時、「1万人以上が来客しました」と言う人と、「1万人以上と盛況でした」と言う人とでは違います。

使っている日本語の数は同じでも、後者のほうが情報が多く、解像度が一段高い。そこからさらに質問して詳しく聞いていけるわけです。

西岡:情景が思い浮かぶレベルまで振り返りをしているかどうか、日記や手帳に記録しているかどうか、その違いもありますね。

全体を見るためにも「分解」が不可欠

金間:分解能力のなさは、「日本はIT化が進まない」「データサイエンスが遅れている」ということをなんとなく言っている状況とも紐づいているように思います。分解を突き詰めることは、俯瞰力につながるのではないでしょうか。

周りを見る、全体を見ることは、分解のスキルがなければできないと思うんですよ。分解しようとするなら、全体を意識せざるを得ませんからね。

西岡 壱誠(にしおか いっせい)/ 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。 そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている(撮影:尾形文繁)

西岡:そうですね。例えば、今の人たちは「毎日テレアポを100件やってください」と言われて、「100件やればいいんだな」とだけ考えがちです。

でも、会社にとってプラスになるのは、1本でも2本でも成約がとれることですよね。毎日100件電話をかけても、成約0件では意味がありません。その意識に一段階上がらなければいけないわけですが、それが、俯瞰力ですね。

金間:西岡さんは、東大生は、課題にフォーカスする能力が高いとおっしゃっていますね。勉強好きのガリ勉に見えるかもしれないけど、実際には、「この時間はこれをやる」と決めて不要なものをシャットアウトしている、つまり集中できるということです。

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