娘の貞操が心配でも、門限なんか決めるな

親が本当に伝えるべきこと

門限という親の設定したルールと、これから家庭を一緒に築いていくことになるかもしれない人とのルールが衝突したとき、親のほうを優先していては、結婚はできません。だいたい、たとえば20代後半の女性で門限があるなんて聞いたら、少し変に思えませんか?

ですので、子どもの側から見れば、門限破りは自立のために必要な儀式です。自分の育った家庭を離れ、自分で選んだ家庭を作っていくという意味で。門限も破れないようでは、将来、きちんと親から自立できるかどうか心配だと言ってもいいでしょう。

自立なんて必要ない、次に作る家庭でおとなしくしているためにも門限が必要だ、と考える人がいらっしゃるのかもしれません。しかし今どき、「黙ってオレについてこい」という男性も、「黙ってあなたについていく」という女性も、「絶滅危惧種」です。離婚の多い現代では、女性が男性にひたすら従うことにあまり意味がありません。最終的には、無理して従った分だけ、後の破綻につながるからです。

ここでは、門限という制度をきっかけに、そこから若年層の性について考えてみましょう。結論から言うと、現代の門限は、日本社会の性に関する閉鎖性を象徴する最悪の制度なのです。

門限は「貞操を守る」機能を果たさない

まず門限という仕組みに込められた親の意図から考えてみましょう。これにはもちろん、「結婚まで処女でいるべき」という親の性観念が投影されているのですが、その目的に照らしたとき、これは完全に失敗していると言わざるをえません。門限は、「貞操を守る」機能をほとんど果たしていないのです。

日本性教育教会の『「若者の性」白書』(小学館)は、若年層の性行動をずっと追っている調査です。2011年の第7回調査によると、高校生の性交経験率は男子14.6%、女子22.5%、大学生で男子53.7%、女子46.0%。いずれも2005年より大幅に下がったことが話題となりました。ただ、高校生で2割くらい、大学生(1~4年生)の平均が5割だとすると、大卒時の学生の7割くらいが性経験を持っているということになります。20歳前後で急に経験率が上がるのは、日本社会のひとつの特徴でもあります。

誰とだったら性関係を持ってもよいと考えるかを4択にして、「1.結婚するまでダメ、2.結婚前提なら可、3.愛していれば可、4.愛がなくても可」の選択肢で問うと、さまざまな調査でも、そして私が受け持っている大教室の授業でも、圧倒的多数が「3.愛していれば」を選びます。少なくとも現代の日本社会で、結婚まで性関係を持たないということに、積極的な意味はあまりありません。

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