前回の講義では、男子学生の多い大学と女子学生の多い大学では、どちらの大学のほうが「性の乱れ」が起きやすいかを論じました。たくさんの男子学生の中にいる女子学生のほうが「貞操の危機」を感じそうですが、経済学的に考えるとまったく逆だという話でしたね。女子学生の数が多いとセックスの値打ちが下がり、乱れた性行動につながるということを、「需要と供給のバランス」から説明しました。
さて、今回は、米国の10代が草食化している意外な理由をお話したいと思います。
実は、今日の米国の10代(ティーンエージャー)は、1980年代以降のどの時代と比べても性的な活発度が低くなっています。疾病対策センター(CDC)によると、2010年には性体験のあるティーンエージャーは半数にも及びません(男性42%、女性43%)。わずか22年前には、女性の51%、男性の60%が体験済みだったのにです。
また、彼らは単にセックスをほかの性行為(オーラル・セックスなど)によって代替しているのでもありません。15歳から17歳までの男性の46%、女性の49%は、まったく性体験がないのです。
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