また、性的に活発なティーンエージャーのうち、男性の92%以上、女性の86%は、最近の性行為で何らかの避妊手段を用いています。このように禁欲的に見えることとは裏腹に、同じ年、15歳から19歳までの女性が延べ36万7752人の子供を産んでいます。この年齢層のざっと3.5%が出産していることになります。
この率は1991年から2010年にかけて3分の1以上減っていますが、米国は相変わらず先進国で最もティーンエージャーの出産率が高い国で、隣国カナダの倍以上に及びます。
この10代の出産数の減少は、中絶がしやすくなったからではありません。2006年の米国の10代の中絶率は、1991年のそれの半分にも及びません(それぞれ女性1000人当たり16人と37人)。
公衆衛生の研究者ジョン・サンテリとアンドレア・メルニカスは、1991年から2005年にかけての10代の出産率低下について、もっぱら避妊手段をより慎重に用いるようになったためと結論しています。
「格差への絶望」が妊娠のコスト意識を下げる
さらに10代の妊娠率には、その学校がどのような地域にあるかも影響します。
エコノミストのメリッサ・スケッティーニ・カーニーとフィリップ・レヴィンの論文では、生徒の経済的背景の多様性が、妊娠率に大きく影響しているという興味深い証拠が示されています。
米国の興味深い特徴は、10代の妊娠率が州によって大きく違うことです。彼らはこうした特徴を利用して、所得格差が10代の妊娠率にどんな影響を与えているのかを調べました。
その結果、所得格差が非常に大きい州の恵まれない住民の間には絶望が広がっており、それが高校時代に妊娠することのコスト意識を下げると論じています。彼女たちは、10代で母親になろうがなるまいが、どうせ自分は今以上の経済状態にははい上がれないと考え、それはおそらく正しいのです。
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