まだまだ続くFRBインフレとの闘いに円安再起動 利上げでも意外と失速しないアメリカ経済

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FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)はインフレ鈍化を受けて利上げをやめ、利下げに転じるーー。この想定のもと、円高ドル安が予想されていたが、にわかに状況は変わっている。

パウエル米FRB議長
パウエルFRB議長の闘いは続く(写真・Bloomberg)

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2022年12月、筆者は「2023年の『ドル円相場シナリオ』はどうなるのか」において、2023年のドル円相場について予想される基本シナリオと上下双方向のリスクを議論した。円高シナリオが大勢となる2023年のドル円相場について、筆者は以下のような懸念を示した。

筆者の想定以上に円安がいきすぎるリスクだが、これはFRBの利上げ継続である。アメリカのインフレ率がピークアウトしていることはもはや自明であるとしても、多くの市場参加者が抱く「1~3月期中に利上げが停止する」という前提がそこまで確実なものなのか。

 

パウエルFRB議長は1年前(2021年11月末)、「インフレは一時的」という認識を急遽撤回し、市場に大きなショックを与えた経緯がある。当時の翻意に比べれば、利上げが1~3月期で停止せずに緩やかなペースで持続するという展開はさほど不自然ではない。

2月の為替市場では、くしくもこうしたリスク想定がやや現実味を帯び始めているように見受けられる。2月初頭にアメリカの1月雇用統計の力強い結果が公表されて以降、にわかに「利上げは簡単に終わらないかもしれない」という懸念が明らかに強くなっている。

気が早すぎた「利下げ織り込み」

筆者は2022年末からアメリカの利下げ織り込みは性急すぎること、円安の背景には巨大な需給の歪み(貿易赤字)があることなどを背景に巷説で支配的な円高予想とは距離を置いてきた。

1月の「つかの間の円高と正常化タイムの後に来る円安」でも「巷説では2022年の反動としての円高を予想する声が依然支配的だが、果たしてそれほど単純に事が進むのか。貿易赤字は2022年ほどではないにしても、高水準の状態が続く」として、需給面から円安が崩れにくい可能性を強調した。

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