テレビのイノベーションは大阪から始まる! 立ち上がれ!カウンターカルチャー

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(写真:まちゃー / Imasia)
ここしばらく東京に実権を明け渡したかのような大阪だったが、昨今はネット連動実験の開始などテレビメディアを中心に再び輝きを取り戻しつつある。
4月6日発売の『GALAC/ぎゃらく』5月号特集「テレビイノベーションは大阪から始まる」には、そうした大阪らしさ満載の論考が多数掲載されている。東洋経済オンラインでは、そのうち大阪カルチャーに関する境治氏の論考を転載する。

人生には大阪発の番組と関西文化が何度も登場する

筆者は福岡出身で、なおかつ1962年生まれの典型的テレビっ子世代だ。九州から見ると、大阪は東京同様の異世界であり、なおかつ東京より近しい文化圏だった。東京は下から見上げる存在だったのに対し、大阪は肩を組める等身大の兄貴分。小学生の頃は、半ドンで帰宅するとインスタントラーメンを食べながら「吉本新喜劇」を見るのが土曜日の楽しみになっていた。

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岡八郎、船場太郎、山田スミ子、桑原和男、チャーリー浜といったスターの数々の名前をいまもパパッと思いだせる。間寛平はまだ若手だった。なかでも花紀京はずば抜けて面白く、最高のコメディアンだと思った。

「プロポーズ大作戦」や「ラブアタック」を大阪のテレビ局がつくっているのは司会者が関西弁の芸人だからわかっていたが、「ルパン三世」も“よみうりテレビ”とクレジットが出てきたし、自分が好きな番組のかなりの部分は大阪で制作されているのだということはなんとなく知っていた。つまり70年代、私がものごころついてから見ていたテレビのなかで、大阪は東京と並んで中心にいる存在だった。

小学4年生の時に、ウルトラマンシリーズとは全くちがうヒーローものがはじまった。不気味な仮面をつけて、オートバイで駆け回る等身大のヒーローに最初子どもたちは戸惑った。「2号」が登場して「ヘンシン!」とやりだしたらみんなこぞって見るようになった。塀からヘンシン!と飛び降りてケガをする子どもが続出し問題になった。カードがおまけにつくスナック菓子が、中身を食べずに空き地に捨てられているのをよく見かけた。

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