報道のためのドローン活用、日本で広まるか IT関連の法律に詳しい弁護士に聞いてみた
「空飛ぶ無人機」として、空撮や輸送などさまざまなシーンでの活用が注目されている「ドローン」。テクノロジーの進歩による高性能化や低価格化に期待が集まる一方で、問題も起きている。フランス・パリでは、空中を縦横無尽に飛ぶドローンに、市民たちが神経を尖らせている。
昨年10月には、原子力発電所や大統領官邸の上空にドローンが出現。その後も、2月23〜25日の3日間にわたって、アメリカ大使館の近くや、オペラ座、エッフェル塔など主要な建物や観光名所の周辺を飛ぶドローンがあいついで目撃された。パリでは、1月に風刺新聞への銃撃事件が起きたばかりで、テロとの関連を疑う声が高まった。
航空法が問題になる可能性は?
そんな中、2月25日には、パリ西部のブローニュの森で夜間に無許可でドローンを飛ばしたとして、3人の男性がフランスの捜査当局によって逮捕された。報道によれば、3人は中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」の記者で、夜空を撮影するために取材していたと説明しているようだ。
ドローンは個人でも手軽に空撮ができるため、大規模な災害や事故の報道に活用できるのではないかという期待もある。現在の日本で、取材・報道のためにドローンを利用することは、法的に認められるのだろうか。IT関連の法律問題の伊藤雅浩弁護士に話を聞いた。
「ドローン利用に伴う法規制では、主に航空法とプライバシーが考えられます」
伊藤弁護士はそう指摘する。
「航空法との関係では、ドローンは模型航空機という扱いとなると考えられています。航空路の内か外かで違いがありますが、模型航空機は、航空路外の場合、250メートル未満の高さで飛行させることができます。ただし、空港やその周辺など、許可が必要な地域もあります。
報道目的でドローンを使用するという場合、それほど高い高度で飛ばすことはないと思いますので、航空法関係の規制が問題になることは少ないでしょう」
では、プライバシーの側面からはどう評価できるのだろうか。