コンタクトレンズ不足が心配な人に伝えたい現実 輸入量は高位で推移するも需要が上回っている

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眼鏡の支出金額

なお眼鏡の支出金額も見てみた。同じくコロナ禍の初期に落ち込んでいるものの、その後は横ばいを続けている。コンタクトレンズに比べて、冒頭で説明したように、堅調な需要が継続したと見られる。需要として安定した商品といえるかもしれない。

ただし、コンタクトレンズも完全に絶望的な状況ではない。生産と物流の正常化に伴って、不足は徐々に解消されるだろう。各国の労働者不足も徐々に緩和してきている。各社のアナウンスで述べられているとおり、各社とも供給に努力しているから、冷静な行動を望みたい。

コンタクトレンズの需要動向

なお私は専門家ではないので断言は避ける。ただ、家にこもるようになり、外に出ない時間が増えると、その分は太陽を浴びなくなったりパソコンやディスプレイを見たりする時間が増える。これは視力には好影響を与えないはずだ。ただでさえ、自宅内でのコンテンツ消費などが広がっている。さらに視力補助の意識の高まりもある。

コンタクトレンズはEC通販のサブスクリプションとして、毎月一定量を送付するサービスも登場している。視力のオンライン試験を含むオンラインストアの拡充も見られる。業界はプラスチックフリーのコンタクトレンズ研究に取り組み、さらに抗菌作用のある商品、紫外線カット、多焦点コンタクトの拡充など、さまざまな技術トレンドがある。

コンタクトレンズの市場はこれからも恒常的に拡大すると見られている。今後、本格的に生産と供給量を伸ばせるかが各社の課題といえそうだ。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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