2020年から続くコロナ禍は人々の行動変化をもたらした。たとえば在宅勤務。テレビ会議などで自宅に引きこもる機会が増加した。それにともなって、スーツの売れ行きが落ち込んだり、化粧品の購入頻度が落ちたりした。逆にスポーツウェアやパソコンなどの購入が増加した。
まだコロナ禍が完全に収束したわけでなく、そのまま元通りとなるわけではないだろうが、徐々にコロナ禍前のような日常が戻りつつある。飲食店ではコロナ禍前のようにマスクを外した会食の光景が見られる。私が各企業と話す限り、導入した在宅勤務を完全に廃止した企業はない。ただし、これまで週に5日の在宅勤務だったケースでも、週に1、2回を在宅日としそれ以外はオフィスに出社するようになった企業が多い。読者の企業も同様ではないだろうか。
それにつれてコロナ禍前の消費が緩やかに戻っている。たとえば外出の頻度が高まるにしたがって需要が増える商品の1つにコンタクトレンズが挙げられる。裸眼で過ごしにくい人の中には外出時は視力矯正のために、眼鏡をかけたり、コンタクトレンズを装着したりするケースが多い。併用している人も少なくないだろう。
コンタクトレンズの不足?
ここ最近、一部で使い捨てコンタクトレンズの不足が報じられた。たとえば産経新聞が2月9日に配信した「コンタクトレンズの欠品相次ぐ コロナ、ウクライナ侵攻影響…利用者から不安の声」などだ。
コンタクトレンズの不足は今に始まった話ではなく、1年くらい前からじわじわと顕在化してきていた。一部の製品に影響が出ており、入手が難しいケースが増えているという。ハードタイプはシリコン、ソフトタイプは親水性プラスチックでできているから、これらの高騰や不足が響いた。さらに各都市のロックダウンに伴う製造現場での人手不足も理由に挙げられる。さらに物流側の燃料費高騰やおなじく人手不足、さらに工場設備で使用する各部材の不足などさまざまな事情が複合的に作用している。
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