「リンツの丸いチョコ」日本で知名度上げた理由 客が好きな商品を袋に詰める「量り売り」戦略
日本では年間26万トン以上のチョコレートを消費し、金額にして1人あたり6000円以上をチョコレートに費やす。今や日常的なスイーツで、多くの人が健康のため、自分へのごほうびにと、日々、チョコレートを口にしている。
しかしバレンタインデーという特別な時期は、やはりチョコレートの宝石のような美しさ、見ただけでワクワクするハレの魅力に注目が集まるのではないだろうか。
今回はそんなチョコレートの華やかな魅力を体現している企業として、スイスのブランドであるリンツを取材した。
「量り売り」というユニークな販売方法
ゴディバ、デメルなどと並んで日本でもよく知られるリンツ。スイスにおける設立は1845年に遡る。
同社を代表するチョコレートが「リンドール」。「シェル」と呼ばれるチョコレートの外殻の中になめらかなフィリングを詰めた2層構造のトリュフチョコレートだ。
このフィリングの、口どけのなめらかさがリンドールの大きな特徴となっている。
そして同社のアイデンティティでもある。というのも、チョコレートのなめらかさをつくる「コンチング(撹拌)」という工程を1879年に発明したのが、企業名にも名を残すロドルフ・リンツ氏だったからだ。このことから、同社ではチョコレートづくりの技術を強みに、20世紀初頭から世界へと展開を広げてきた。
日本法人であるリンツ&シュプルングリージャパンは2010年設立と新しいが、ハイスピードで店舗を広げ、現在直営店83店舗とオンラインストアで事業を展開している。代表取締役社長の福本千秋氏によると、業績も好調で2桁成長を続けてきているとのことだ。
こうした速い展開を可能にした理由の一つが、「ピック&ミックス(量り売り)」という特徴的な販売方法だろう。
リンドールには20種類以上のフレーバーがあり、さらに季節ごとの期間限定商品も加わる。ブティックと呼ばれる直営店では、フロアの中央に色とりどりのリンドールを山盛りに陳列。お客はそこから、好みの味を選んで自分で袋に詰めていくことができるのだ。
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