「リンツの丸いチョコ」日本で知名度上げた理由 客が好きな商品を袋に詰める「量り売り」戦略
なお、カフェメニューや焼き菓子など、一部の商品は日本のオリジナルレシピ。直営店で直接顧客と接し、ニーズが見えやすいところから日本オリジナル商品の開発をするようになった。
華やかに飾り付けられたショコラドリンクはグローバルのリンツからも注目されており、「レシピを教えてほしい」というオーダーが来ることもあるという。
日本では蒲田に工場がある
リンツの工場は本国スイスやヨーロッパ、アメリカなどに拠点があるが、日本では蒲田に製造拠点を設けており、日本オリジナル商品の一部がつくられているとのことだ。
今後の展開としては将来的にブティックを増やし、お客とのリアルな接点を広げリンツの世界観を広く伝えていきたいという。福本氏によると具体的な計画ではないものの、100店舗以上に展開を広げていく予定だそうだ。
ホームページには、リンツ&シュプルングリーは世界に28の拠点と500以上の直営店を有しているとある。その中で日本の直営店が83店あり、今後はさらに増やしていくとなると、グローバルな視野において、日本市場の位置づけがさらに重要になってくることを窺わせる。
単純には比較できないものの、ベルギーのブランドであるゴディバの例を見ると、日本法人は1994年に設立。現在国内では直営店・百貨店内店舗合わせ321店舗(2021年12月時点)を展開する。
リンツは83店舗と約4分の1だが、すべて直営店、しかもファッションビルの1階や路面店といったアクセスしやすい立地に展開していることがブランド訴求のうえで強みとなっている。
立地の確保や人材教育など具体的な課題はあるが、もし今後さらなるスピード感をもって店舗展開していくとすれば、チョコレート専門店の中でも独自の存在感を発揮するブランドになるのではないだろうか。
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