「リンツの丸いチョコ」日本で知名度上げた理由 客が好きな商品を袋に詰める「量り売り」戦略
キラキラした紙でキャンディのように包まれたリンドールが、什器いっぱいに盛られている様子はまるでおとぎ話の世界のよう。童心に帰ってつい歓声を上げたくなる。
こうした販売方法をとっているチョコレート店はほかになく、同社の大きな強みとなっている。
価格もリンドールについてはいわゆる高級チョコレートよりは安く、1個あたり110円程度だ。これなら若い世代も気軽にいろいろな味を試すことができる。
「客層は女性が多く、年齢層は本当に幅広いですね。上は90代の方もいらっしゃいます。
購入動機は自分へのごほうびが多いですが、ギフト需要も高いです。その理由として、食べたらおいしいと言っていただけるなめらかな口どけ、そして一度お召し上がりいただいた方にまた食べたいと思っていただける、確かな技術に支えられたおいしさがあると思います」(福本氏)
日本人好みのミルクチョコレートを得意としていることも、ギフトに利用しやすい大きな理由だろう。
日本上陸は約12年前だが、客層が広い
日本への上陸が約12年前と最近なのに対し、客層が広いのにはわけがある。一つは、歴史ある企業としてのブランド力だ。とくに年配の人では海外旅行などで見かけて馴染みがあったというケースもあるようだ。
また、商品が別のルートで早くから入ってきていたという理由もある。
チーズなどを製造販売する六甲バターが1989年より輸入販売を行っており、日本法人とは流通経路を棲み分けている。スーパーなどの小売店で販売されているものについては、六甲バター経由の商品ということになる。
ただ、この状況も長くは続かないようで、六甲バターは2023年2月2日、この契約を5月末で終了すると発表した。今後は別の代理店が輸入販売を行うという。
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