「リンツの丸いチョコ」日本で知名度上げた理由 客が好きな商品を袋に詰める「量り売り」戦略

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コロナ禍、チョコレートのみならず菓子の販売はどこも大なり小なり影響を受けたが、同社ではオンラインショップを2012年からと早く始めていたこともあり、成長を続けられたという。さらに人に会うのが難しくなったコロナの社会状況では、オンラインショップで購入したお菓子を贈り物にできる「デジタルギフト」やアプリの構築など、デジタル化にも取り組んできた。

オンラインとオフラインの相乗効果

しかしコロナ禍も一段落ついた現在力を入れているのが、オンラインとオフラインを組み合わせ、相乗的に価値を高める取り組みだそうだ。

2023年バレンタイン商品。ハート型のリンドール「ハート」や、「バレンタイン」などの期間限定フレーバーが入った詰め合わせも(12個入り1850円〜)(撮影:今井康一)

「若いお客様や、ブティックがない地域のお客様の利便性のためにも、オンラインショップには引き続き取り組んでいきます。

ただ、当社の最大の魅力と言えるのが、量り売りに代表されるリアルな体験によるワクワク感。コロナという物理的に人と人の距離が離れてしまう時代を経た今、こうした価値がこれまで以上に求められていると感じています。オンラインやデジタル上でのさまざまな接点をきっかけに、さらにご来店いただくことでより楽しめるような企画を実施しています」(福本氏)

その例の一つが2023年1月6日〜2月15日の期間開催されている「リンドール診断」だ。特設サイトにて6つの質問に答えると、自身の性格や内面を全22種類のリンドールのフレーバーに例えて診断し、自分に合うリンドールを選び出してくれるという。

診断後に公式LINEよりクーポンが発行され、店頭で提示すれば人気5フレーバーの中から好きなリンドールを2つもらえる。

またブティック隣接のカフェでは20種類以上のショコラドリンクやスイーツなどのカフェ限定メニューを提供している。期間限定の「リンツ ストロベリーブーケ ホットショコラドリンク」(780円・なくなり次第終了)など、SNS映えのするメニューを揃えており、リアル体験のブランド価値を訴求するとともに、デジタルでの宣伝効果も高そうだ。

実際、当誌が取材した表参道店では同日若い女性インフルエンサーも複数人招きPRを行っていたようだ。

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