コンタクトレンズ不足が心配な人に伝えたい現実 輸入量は高位で推移するも需要が上回っている

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ここでコンタクトレンズの輸入状況を見てみよう。財務省の貿易統計をもとに調べてみた。

(外部配信先ではグラフなどの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
 

コンタクトレンズの輸入量

まず2020年から始まったコロナ禍によってコンタクトレンズの輸入量が一気に減った。そして2020年6月に底を迎えている。そこからは徐々に増加している。直近では2022年12月にその1.3倍まで伸びているとわかる。

意外なことに輸入がそれほど落ち込んでいるわけではない。むしろ各社ともコンタクトレンズの確保に動き、なんとか輸入量を増加させて市場に行き渡らせようとしている。

しかし結局は供給に対する需要がポイントだ。その輸入量を上回る需要があればモノ不足になるだろう。

供給に対する需要が勝っている?

それに対して、各消費者の需要はどうなっているのだろうか。ここで各家庭における毎月のコンタクトレンズの支出額を総務省「家計調査」をもとに調べてみた。

コンタクトレンズの支出金額

同じくコロナ禍に伴って2020年5月に底を迎えている。これもおなじくそこから上昇を続けている。直近の2022年12月と比べると1.4倍。単位が違うかもしれないが、これ自体は輸入量の伸びを超える増え方だ。なお、2022年12月は前月から少し支出額が落ちているので、2022年11月と比べてみると、支出額の伸びは同1.6倍に当たる。つまり輸入≒供給の伸びよりも、支出の伸びのほうが上回っている。

この需給のギャップが、現在のコンタクトレンズ不足の一端となっていると思われる。さほど大きな差ではなくても差は差だ。

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