2022年7月に発生したKDDIの大規模通信障害を契機に、バックアップ回線を用意しておくことの重要性が認知され始めている。日本のモバイルネットワークは、諸外国と比べエリアが広く、速度も安定しているものの、システムに万全はないからだ。実際、KDDIの通信障害の翌月には、楽天モバイルも総務省への報告が必要な規模の通信障害を起こしている。ドコモやソフトバンクも、例外ではない。
KDDIとソフトバンクは新サービス開始
総務省では非常時にキャリア間でローミングをするための議論が進んでいるが、ネットワークの改修が必要なことから実現には時間がかかる見通しだ。また、ローミングは、地震や津波など、基地局単体で被害があった際には有効だが、先に発生した通信障害の場合、そもそもローミング自体ができなくなってしまう。これだけで万事解決するというわけではないのが実情だ。
このような中、KDDIとソフトバンクは、双方の回線を提供する形でデュアルSIMのサービスを3月下旬にスタートする。料金等は決まっていないが、毎月数百円程度はかかる見通しだ。スマホのオプションサービスに近い形で、KDDIのユーザーはソフトバンクの、ソフトバンクのユーザーはKDDIの回線を契約しておけるようになる。ただ、必ずしもこのサービスを待つ必要はない。既存の通信サービスの中にも、バックアップに適したものがあるからだ。
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