要は、「今どきの……」は彼らの特徴をつかむのに便利だととらえ、逆手に取って、新人たちの「成長のチカラ」をもっと引き出してあげるようにしちゃえばいいのです。もっと言うと、私たちにないチカラがあるはずですから、そこを見つけて、伸ばしてあげるように接することが肝要だと思うのです。
「万馬券採用」は、けっこう面白い
新入社員たちからは「そんなに赤ちゃん扱いしないでくださいっ!」としかられちゃいそうだけれど。でも、「新人」だからこそ教えてもらえるし、許される失敗もある。「新人」だからこそ、びっくりするような仕事ができることもある。
「新人」というブランドはとても強力だけれど、特に新卒という意味では、一生で一度きり、1年ぽっきりのブランドです。だから「まぁ新人だからね」「新人なのにすごい!」というこのブランドの威力をたっぷり享受させてあげて、その後の自分ブランドを作れるように応援するのも、「旧人」の仕事なのではないかと思うのです。だって、あなたもそうやって「新人ブランド」を謳歌してきたはずなのですから。
私が新卒でリクルートに入社したときは、なんと新卒同期は500人以上いました。同期には変なヤツもけっこうな人数、混じっていましたね(笑)。
自覚があるかないかは別にして、「万馬券採用」というのもあるかもしれません。採用数が多いときにしか採用できない「超ポテンシャル」採用みたいなものもあるような気がするのです。「万が一うまく花開いたら、すごいヤツになるんじゃないか」「すごくうまく化けたら、会社を支える人材になるかも」といったふうに、「今の自分たち」を超える可能性を感じる人材を採用しようとすることって、実はとてもすごいことだと私は思います。
なかなか怖くてできないものですよ~。特に採用目標人数が少ないときは。大量採用って、そういう可能性を感じさせると思えると、「頭数だけ大量」と思って迎えるより、ずっとずっと楽しみに育ててあげられそうな気がしませんか?
あなたの会社の新入社員の中にも、今はわからなくても、育ち方によっては、将来の会社の転換期に大きな貢献をする人材もいるかもしれませんし、会社を辞めたとしても「彼はうちの会社出身なのよ」と自慢したくなるようなでっかいことを成し遂げる人材もいるかもしれません。あなたが育てた新人がビッグな人材になったとき、「○○さんが最後まで面倒を見てくれた」なんて感謝される可能性もありますね。また、「あのとき、あなたはこんな失敗したの、覚えてる?」と新人時代のネタでいじり続ける楽しみもまたサイコーなものですよ(笑)。
私の直下に配属された新人たちの思い出は、枚挙にいとまがありません。「はいはい、グローバル人材ですね」と言いたくなるような経歴の子、理系の大学院を出たロジカルすぎる子、「人見知り」を絵に描いたような子もいたし、「将来は毎日ちゃんとごはんを作る人になりたいです!」と語られたり、「兵隊のように働く所存です」と宣言されたこともあります。
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