薬剤師が解説「症状別・花粉症市販薬」を選ぶコツ 眠くならない薬のほか、点鼻薬、目薬などを紹介
結論からいうと、鼻の症状であるくしゃみや鼻水、鼻づまりの3症状がすべて出ていてつらい場合には、「鼻噴霧用ステロイド薬」が良い選択肢となります。
なぜかというと、くしゃみや鼻水、鼻づまりでは症状が起こるしくみが異なり、「第2世代抗ヒスタミン薬」が得意とするのは、くしゃみや鼻水の症状を和らげることだからです。一方の「鼻噴霧用ステロイド薬」は鼻の3症状すべてに高い効果を示します。
ただし、薬は正しく使わないと効果を得ることができません。「点鼻薬って苦手」と、使うのをサボりがちになるのであれば、続けやすい飲み薬の「第2世代抗ヒスタミン薬」を使ったり、受診して医師に相談したりするという選択肢も考えてみましょう。
もし「点鼻薬に興味があるけど、使い方に自信がない」「なんだか難しそう」と、点鼻薬の使用をためらっている場合は、遠慮なく薬剤師に相談してください。使い方を一緒に確認して、使いこなせるようにしましょう。薬剤師がセルフケアを実践するためのお手伝いをします。
「第2世代」は眠くならない?
さて、花粉症の鼻症状対策の大まかな選択肢がわかったところで、「第2世代抗ヒスタミン薬」と「鼻噴霧用ステロイド薬」の話に戻ります。花粉症シーズン中、自分で続けられそうなのはどちらなのか検討するために、それぞれの特徴や選び方を見ていきましょう。
「第2世代抗ヒスタミン薬」の選び方についてですが、「第2世代抗ヒスタミン薬」とひとくくりにしても、「鎮静作用」の程度が異なるので選ぶときには注意が必要です。
鎮静作用というと、真っ先に思い浮かべるのが「眠気」かもしれません。ところが、実はそれだけではないのです。
眠気という自覚できる症状だけではなく、鎮静作用には気づかないうちに判断力、注意力、作業効率の低下を起こす症状も含まれます。そのため、薬によっては添付文書で「乗り物の運転」「危険な機械操作」などを禁じたり、注意を促したりしている場合があります。
運転や機械の操作をする際は、薬のパッケージの裏面や、添付文書などを見て、自分のライフスタイルにあった薬を選択することが大切です。
気になる「効果」については、表2に示した非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬の間で大きな差はないとされています。また、「眠くなる薬のほうがよく効くんでしょう」と誤解している方がときどきいますが、そのようなことはありません。
したがって、基本的には眠くなりにくい「非鎮静性」の第2世代抗ヒスタミン薬のなかから、1日の服用回数、値段、近所のドラッグストアの品揃えなど、自分の使いやすさに合わせて選ぶことがすすめられます。
続いて、「点鼻薬」の選び方と使い分けについて説明します。
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