最終目的は“コスト削減” ですが、いきなり取引先企業へ値下げ依頼や価格交渉(STEP7)をしてはいけません。事前の検討事項として、現在の事業状況に対する仕様/サービスレベル(STEP3)や価格(STEP5)の妥当性を精査し、社内での購買体制(STEP4)と取引先候補(STEP6)も改めて見直し余地がないかをゼロベースで検討します。
取引条件の見直しのために、複数の新規取引先候補となる企業に対して、提案/見積もりを依頼(相見積もり)することも有効な手段です。相見積もりの依頼内容を確定させる前に、仕様やサービルレベルの最適化(STEP3)と、自社全体で最大限ボリュームを生かした購買/調達の体制づくり(STEP4)は十分に精査しておきます。
見積もり依頼の準備から、最終的な取引先の決定までは下記の6つの手順で進めます。
2.見積もり依頼先のリサーチと選定
3.見積もり依頼から回収までのスケジュール設定
4.各社からの見積もり回収
5.見積もり内容の評価と最終選定
6.不採用となった企業への丁寧なフィードバック
値下げ交渉は原則最大2回まで
各社から無事に見積もりを回収できれば、各社の提案内容を比較し、優先順位を付けていきます。企業数を絞り込んで、さらに詳細な内容まで踏み込んだ交渉を3社~5社程度と実施します。
取引先候補との「値下げ交渉は原則最大2回まで」を心がけましょう。最後はどうしても「既存取引先を継続するか」「新規候補の最有力企業へ変更するか」の選択に迫られます。この場合は既存取引先と新規の最有力企業の2社を競わせ、取引先のスイッチングコストなどを加味したうえで値下げ交渉(2回目)を実施し、新規候補企業が実質的に既存取引先よりも条件で上回れるかを見極めます。
ここから3回目以降の値下げ交渉は極力避けるべきです。今回の商談が一度きりであれば問題ないかもしれません。しかし、取引先企業から、“あの会社は延々と値下げを要求してくる”と認識されると、次回からは“何度も値下げ交渉されること”が前提となって、初回提案の単価/価格水準がかなり高めに提示されてしまいます。
本来は価格競争力のある優秀企業にもかかわらず、初回提案がかなり高めの見積もり価格となってしまうと、結果、初期段階のスクリーニングで価格競争力のある企業が検討の土台にのらないリスクがあります。
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