インフレでも15~25%「コスト削減」ができる理由 賃料、通信費、物流費の下げ余地は大きい

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オフィスでPC作業をしている人たち
「間接材コスト」に着目すれば、インフレ下でもコスト削減が実現できるかもしれません(写真: IYO/PIXTA)
昨今のインフレ下でも小売業、サービス業から製造業まで年間5000万円~数億円規模、賃料/通信費/保険料/決済手数料/工事費で25%、物流系でも15%の「コスト削減」が実現できているのはなぜなのか?
間接材コストマネジメントに特化したコンサルティングサービスを提供、『コスト削減の最強戦略――企業競争力を高める間接材コストマネジメント』を上梓したコンサルタントが、コスト見直しができていない理由を説く。「できていない理由」から「コスト最適化」への道筋が見えてくる。

なぜ、間接材コストの見直しが必要なのか

昨今、コロナ禍に端を発した社会的規制(緊急事態宣言やまん延防止等重点措置)による売上の急減や、国際情勢の不安定化に伴う原材料価格の高騰により、企業の業績や収益は大きく影響を受けています。

このような非常事態には、当面の資金流出(キャッシュアウト)を回避する企業防衛策として、固定資産の売却や人員の大幅削減など抜本的な打ち手が必要です。

コスト削減の最強戦略: 企業競争力を高める間接材コストマネジメント
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一方で、予測不可能な事態に対応するため、日頃から企業は何をどう準備する必要があるのでしょうか?

平時から企業が取り組むべきことは、事業状況に応じて固定費を徹底して見直し、損益分岐点を引き下げ、非常事態でも利益を確保しやすい筋肉質な事業体質にすることです。

一般的に固定費の代表格として人件費が挙げられますが、人材への投資は将来に向けた成長エンジンへの投資でもあるため、むやみに削減すると中長期的な成長に悪影響が出ます。

厳しい事業環境の下でも将来への成長投資を犠牲にせず、筋肉質な事業体質にするために着目すべきは「間接材コスト」です。

コスト項目の中でも原価や直接人件費以外の雑多な費用が渾然一体となっているため、「間接材コストとは、どこの何までを意味しているのか?」とイメージしづらいかもしれませんが、「間接材コスト」に着目すべき理由は3つあります。

次ページ間接材コストに注目すべき3つの理由とは?
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