ニトリの物流戦略はここまで徹底している

本業を支える分社化で独自の発展を遂げた

最近は都心部にも出店してきている(撮影:今井 康一)

「お、ねだん以上。」でおなじみの、家具・インテリア製造販売チェーンのニトリホールディングス。2017年には展開店舗数が500店を超え、日本全国47都道府県はもちろん、経済成長著しい中国でも20店舗以上を展開しています。

独自のSPAモデル「製造物流小売業」

直近本決算の2018年は、31期連続の増収増益を達成するなど業績も好調。続く2019年2月期にも、さらなる成長が見込まれています。

拙著『アマゾン、ニトリ、ZARA…… すごい物流戦略 』でも詳しく解説していますが、ニトリグループでは、独自のSPAモデル「製造物流小売業」を確立し、暮らし向上商品を提供してきました。製造物流小売業とは、商品企画から製造・物流・販売までを一貫して、自社でプロデュースするビジネスモデル。SPAといえば「ユニクロ」や「GU」を展開するファーストリテイリング、「無印良品」の良品計画などが有名ですが、ニトリのように、物流機能まで自社で行っている例はほかには見当たりません。

また、基幹システムをはじめとしたグループ内で稼働するITシステムも、社内で独自開発したものです。メンテナンスについても、自社内でスピード対応しています。

ニトリが扱う商品の多くは、店舗からそのまま持ち帰ることができないような大型の家具やインテリア雑貨。店舗で代金を精算すれば、そのままお客様が利用できるという商品ではありません。利用客の自宅まで届け、ものによっては設置して初めて、使えるようになるものです。つまり、物流(=商品の配送)なくしては成立しないと考えられるビジネスです。ニトリが生み出した「製造物流小売業」は、同社ならではの「お、ねだん以上。」を生み出し続ける仕組みと言えるでしょう。

ニトリグループで現在、グループ内の物流機能を担っているのがホームロジスティクスです。2010年、ニトリグループが持株会社体制に変わると同時に、物流部門が分社化して誕生しました。

設立当初はグループトータルの物流コスト削減を主な狙いにしていましたが、現在は、ITシステムの開発・整備や作業の機械化に加え、他社の荷物の配達や新規ビジネスにも積極的に取り組んでいます。家具・インテリアに特有の「組立配送」(専門スキルを持ったセールスマンが配送し、組み立て設置をする)は業界トップクラスの実績があります。

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