在宅時ねらう「関東連続強盗」家庭での最強対策 侵入者から身を守る「パニックルーム」の有効性
また強盗や窃盗だけでなく、昨年12月25日に埼玉県飯能市の住宅で起きた男女3人殺害事件のように、怨恨や性犯罪目的などによって突如、命の危険にさらされることもある。侵入者から身を守るためには、実際にどのような対策が有効なのか。
まず最初に、防犯カメラの設置、窓ガラスの強化対策は有効な手段だ。防犯カメラは犯罪者の特定だけでなく抑止力にもなる。窓ガラスを針金入りの強化ガラスにしたり、強化フィルムを貼ったりして割れにくくすることで、侵入者の行く手を阻むことになる。
たとえガラスが最終的に割られてしまったとしても、時間を稼ぐことができるし、ガラスを割る音が長時間することで近隣住民が気づいてくれる可能性も高くなる。
それでも侵入されてしまった場合はどうするか。宅配業者を装ってくることもあるだろうし、帰宅時に押し入られることもあるかもしれない。
その場合に有効なのが、「パニックルーム」の設置だ。2002年に同名のアメリカ映画が公開されたことから耳にしたことがある人も多いだろう。「セーフティルーム」とも呼ばれるが、犯罪の多い海外では一般家庭でも多く見られる。ベッドルームなど鍵付きの扉がある部屋を「逃げ込み、立てこもる用の部屋」として、設備を強化しておくのだ。
私は警視庁勤務時代に、在南アフリカ日本大使館に領事として3年間赴任したことがある。その際、自宅にはパニックルームが設けられていた。現地では銃器による犯罪が多いこともあるが、廊下とつながる扉には鉄格子と二重三重の鍵、外に面する窓には二重の鉄格子を設置していた。
2階建ての家の場合、上にあがる階段に鉄格子を設置し、2階全体をパニックルームにしてしまうこともある。災害時のシェルターとしての役割も果たすため、防弾、防火設備はもちろんのこと、内部にトイレや水道、食料庫などを設置する富裕層もいる。
場合によっては「トイレ」に立てこもる
日本でそこまでの対策は難しいかもしれないが、ベッドルームなど扉がしっかりとした部屋をパニックルームに指定し、鍵を二重三重に設置しておくのでも十分に意味がある。余裕があれば、外部からのこじ開けや破壊に耐えうる強化扉に変えてしまうのも手だ。
窓には先述した強化ガラスなどの対策をし、部屋の中には助けを呼ぶための外部との通信手段を用意する。立てこもったときのために水などの飲み物も置いておくのもいいだろう。
犯人と同じ家の中に立てこもるのは恐ろしいかもしれないが、玄関から逃げようとしても、見張り役の人間が待ち構えているケースもある。頑丈な部屋を用意しておき、まずはそこに逃げ込んでから外部に助けの連絡を取るのが安全だ。
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