在宅時ねらう「関東連続強盗」家庭での最強対策 侵入者から身を守る「パニックルーム」の有効性

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これは、2000年代から多発していた「オレオレ詐欺」と同様の構図で、「闇サイト」の募集で集まってきた連中が犯行を重ねているケースだ。闇サイト自体も当時から存在し、2007年に愛知県名古屋市で起きた女性会社員強盗殺人事件(通称「闇サイト殺人事件」)でも使用され、その存在が大きく知られるようになった。

闇サイトは、当時は通常のブラウザではアクセスできない「ダークウェブ」が主流だったが、今は一般にもアクセスしやすいインスタグラムなどのSNSにその場所を移し、より犯罪者の層を広げている。渋谷区の事件の犯人も「インスタで闇サイトに応募した」という供述をしていた。

SNSなどで応募してきた実行犯たちは、「テレグラム」というメッセージアプリに誘導され、それを使って指示役から犯行指示を受けていたようだ。

テレグラムは、一般に使用されるLINEなどよりも秘匿性に優れ、高度な暗号化機能でメッセージの内容を見られないようにすることができる。また、一定の時間が経過すると自動で履歴が削除されたり、自分が送信したメッセージを相手の端末から削除したりすることができるツールだ。

数年前から特殊詐欺や強盗などの犯罪グループが悪用しているケースが見られ、全国の警察でも警戒していた。しかし、法規制などは難しく、犯罪の温床となっているのが現状だ。

元々テレグラムを利用してオレオレ詐欺などを働いていた人間が、全国の詐欺撲滅の啓蒙活動によってこうした詐欺では稼げなくなり、今回のような荒っぽい犯罪にまで手を伸ばしてきたといえるだろう。

映画にもなった「パニックルーム」の有効性

さらに今回の事件で悪用されたツールとして、資産家や単身高齢者などが列挙された「闇リスト」が挙げられる。狛江市の事件でも、5人家族という、家族の在宅・帰宅の可能性がきわめて高い家庭が狙われており、家族構成などの個人情報が漏れていた。この情報をもとに念入りに下見をしていたはずだ。

このことからも、各地の資産家を特定した名簿「闇リスト」が出回っており、犯行に用いられていることがわかる。

昨年11月、東京都の野方消防署に所属する消防士が、同署に保管されている単身世帯の高齢者の名簿を持ち出し、特殊詐欺に利用していたことが判明している。今回も、警察では闇リストの入手経緯や作成された経緯を調べるとともに、そのリストに掲載されている人が判明した場合には注意喚起をしていくことになる。

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