「どこに勤めるか」でなく、「何をしたいか」 東大で博士課程に進んだが進路に迷い

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前置きが長くなりました。3つの選択肢のどれがいいか、を聞きたいという質問でしたね。しかし、3つの選択肢のどれがいいかは、結局のところ十文字さんが仕事を選ぶ基準として挙げている2つの観点に照らし合わせて、どういった考えやスタンスで仕事をするかによって大きく変わります。

すでに仕事をされている方であれば、仕事のスタンスがそれなりに決まっていますので、違ったアドバイスになりますが、仕事経験のない十文字さんには、ぜひとも、「どんな仕事であっても、志次第でいいものにも悪いものにもなる」ということをご認識いただきたいと思います。職業の種類だけで選んではいけません。

自分がどう動くかで解決する問題もある

たとえば、例として挙げているメーカー研究所ですが、一度見ただけで決めつけをしすぎているように思います。

たまたま見た会社では研究所にこもっている人が多かったとしても、それ自体が大きな問題ではありません。十文字さんは、こもるようなことをせず、一般常識や人々の生活スタイルにどのようにインパクトを与えるか、という信条で外を飛び回ればいいのです。そう考えれば、「マーケティング×研究」という軸で仕事をとらえると、がぜん十文字さんのお持ちの2つの基準に近づきます。

そういったことをしている会社もたくさんあります。面接時にご自身の考えを伝え、その会社での実現可能性をチェックすればよいのです。頭から「メーカー研究所はこもってばかりでつまらない」とバッサリ切り捨ててしまうのは止めましょう。

同じことがコンサルや投資銀行についても言えます。重要なことは、その仕事を自分でどう定義するかです。「何も社会の役に立っていない気がする」というセリフは、投資銀行を辞める場合の定番のセリフのひとつでもあります。その一方で、これらの仕事を通じて社会の役に立つことを実感し、それを天職として続ける人もたくさんいますので、繰り返しですが自分で自分の仕事をどう定義するか、です。

これは何もコンサルなどの会社だけでなく、どんな会社でもそうですので、先入観を過度に持つ必要はありません。あえて言うならば、さほど組織が大きくないのであれば、その組織のカルチャーを決める確率の高い上位のレイヤーにいる社員の人となりをみましょう。

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